富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

水戸七夕黄門まつり

fookpaktsuen2015-08-08

農暦六月廿四日。立秋。家人と麻布十番から大門/浜松町経由で品川。あの品川が新幹線、在来線の乗り換へで恐ろしい人の数。常磐線が品川から発つ不思議。ここから東京駅までは「上り」なのかしら。特急ひたち号も「スーパー」と「フレッシュ」から「ひたち」と昔の急行の名称「ときわ」特急で復活。夏休みの周末でひたち海浜公園Rock in Japan Festival開催もあり09:44発のひたち7号は満席の由。品川からの客は3割程度で東京駅で6割くらゐ埋まるが東京駅の短い停車時間での乗車は大変。神田高架かなり期待したが33度の勾配とはいへ両壁のなか車窓からはあまり高さ感じず乗客によっては新幹線の上のあんな高さ走つてゐるとは思ひもせぬか。北の玄関、上野の凋落と思ひきや4割くらゐは上野乗車で立ち客も多し。水戸。驛に母の迎へ受ける。水戸は七夕黄門祭り。驛前では「水戸ご当地アイドル(仮)」(こちら)のライブの洗礼を受ける。曲は『いばらき おいしいパラダイス』w

いばらき バラ色 おいしいパラダイス いばらき生まれの まごころを さあ召し上がれ
いばらきで育った わたしの名前はメロン 自然豊かなこの場所で 大切に育てられた
大親友はスイートコーン スイカ イチゴ 梨 ブドウ みんなとてもジューシーなの モテモテの箱入り娘
メロンだって悩む時もあるけれど 夢があればがんばれる
いつか都会のお洒落なカフェで メロンパフェになる!
「それ どこで とれたのか 知ってっけ?」
いばらき バラ色 おいしいパラダイス 何があるって 何でもあるのよ
愛情たっぷり 入っています いばらき生まれの まごころを さあ召し上がれ
いばらきのとっておき わたしの名前はレンコン ひとくち食べれば誰でも 虜になっちゃうの
シャキシャキの食感が たまらないって言われるの この穴を覗いてみて 未来がほら輝くよ
いばらきのオススメは?って聞かれても あり過ぎて困っちゃうわ
白菜 水菜 ちんげん菜 ホウレン草 ネギ ニラ 春菊 しいたけ ゴボウ
「なにもかも 最高に うまかっぺ?」
いばらき バラ色 おいしいパラダイス 全国一位が いっぱいあるのよ
日本の食卓 彩っています いばらき生まれの プライドを さあ召し上がれ
いばらき代表スウィーツ わたしの名前は干し芋 性格は素朴で天然 甘くてとろけちゃうの
ライバルの梅は お料理にお菓子に大活躍 干し芋だってすごいのよ 栄養もたっぷりなの
元気出したい時は いも 栗 かぼちゃ お米に蕎麦も食べて
しゃも肉 ローズポーク 常陸牛 新鮮卵
「それ どこで とれたのか 知ってっけ?」
いばらき バラ色 おいしいパラダイス 何でもあるのよ 茨城をたべよう
わかさぎ はまぐり しじみ シラス ひらめ あんこう鍋の発祥の地も いばらきだっぺ!
ニンジン ピーマン しそ トマト きゅうり みつば エシャレット 落花生 常陸大黒
夕顔 イチジク リンゴ ナス ブルーベリー こんにゃく 空豆 レタス パセリ カリフラワー
いばらき生まれの まごころを さあ召し上がれ
いばらき バラ色 おいしいパラダイス

そこまで盛り込まなくても……痛い。この水戸ご当地アイドル(仮)にはご当地アイドル「水戸ちゃん」応援ダンスもあり。それにしてもさっさと名前つければいゝのに、なぜ水戸ご当地アイドル(仮)のまゝなのかしら。けっこう可愛いのだが。

梅のかみかざりさして 今日もおでかけ お気に入りのわら納豆かぶって
ステキなことがたくさんあるこのまちを みんなにも知ってほしいな
いつかあこがれの 黄門様みたいに かっこよくて 強くなりたいな
もっともっとmeetみとちゃん 千波湖をかけぬけて
もっとずっと水戸が好き 幸せがきっと見つかる
森林公園でお散歩をしていたら やさしい風 気持ちも晴れて
まちの近くに 自然がいっぱいだから デートだって ココに決まりでしょ!?
水戸の空は いつでも澄んでいて 流れ星に手が届きそうだよ
もっともっとmeetみとちゃん さきがけのまちだから
もっとずっと水戸が好き 新しい世界に出逢える
くじけそうになったり悲しくなったりしたら 納豆食べてねばれねばれー!!
もっともっとmeetみとちゃん
偕楽園の梅が もっともっと香ったら
新しい季節はめぐる
もっともっとmeetみとちゃん
笑顔あふれるまちで きっとずっとつながるよ
大好きな水戸で待ってる

東照宮入り口のタバコ屋にゐる八の字眉の猫「ハチ」不在。七夕の商店街歩き泉町の「ひろ寿」といふ蕎麦供す懐石料理で昼餉。祖父も開設に尽力した泉町會舘は老朽化進むばかりだつたが復興予算も用ゐてモダニズムの美しい建物の原型見事に遺したまゝ活性化は見事(こちら)。とんでもない酷暑のなか真言宗豊山派神崎寺に出向き掃墓。水戸芸術館。夏は館内も地元の小・中学生の書道や絵画貼られ外の広場では地元の親父バンドがベンチャーズが暑い。黄門パレード。元々この祭り、夏の七夕祭りで終戦後の復興期に商店街で始まつたものを55年前に観光協会が当時の水戸黄門漫遊記ブーム(テレビに非ず月形龍之介の映画)に合はせ七夕黄門祭りに。昔はこの黄門パレードは市役所職員ら扮した大名行列も見事で黄門様は市長、助さん格さん等に里見浩太朗横内正高橋元太郎宮園純子中谷一郎ら参加でかなり盛り上がつたが今では大名行列の一行もなく通りからの観覧者もけして多くないがメインの山車に大場久美子。北風吹き肌寒いほど。夕方からメインイベントの市民パレードは50団体3,800人だか「黄門ばやし」や「ごきげん水戸さん」に合はせ踊りのパレード。「黄門ばやし」は橋幸夫から今はアップビートの「新黄門ばやし」になつてゐた。子どもの頃から「祭りが苦手」な私はいつも傍観。𥚃信願寺通りの「ぬりや」で蒲焼飰す。まだ夜9時まで続く市民パレード眺めながら驛まで歩き東京に還る家人見送り。驛ビルのビックカメラの時計売り場で精工舎プレサージュシリーズで渡辺力デザインによる琺瑯ひきの腕時計見る。欲しいと思つた算用数字の在庫はなくローマ数字だつたが大きさが予想以上で私の細腕には大きすぎ重い。何気に携帯してゐた鉄道時計見せると「85周年モデルで850個限定の55番がありますよ」と言はれ「松井ファンにはたまらない」と言はれたが野球音痴で松井の背番号か、と気がつくまで時間かゝる。このダイヤルの質感といひ算用数字も美しく垂涎でお買ひ上げ。帰宅。かなり涼しい夜。香港は気温摂氏36度で(日本に比べ夏は涼しくなるが)観測史上130年で最も高温の由。
▼中曽根大勲位、今月発売の文藝春秋先の大戦巡る日本の行為は「紛れもない侵略」と明言の由。「やるべからざる戦争であり、誤った戦争」「アジアの国々に対しては侵略戦争だったと言われても仕方ないものがあったといえる」「自己の歴史の否定的な部分から目をそらすことなく、これらを直視する勇気と謙虚さを持つべきであるし、そこから汲み取るべき教訓を心に刻み、国民、国家を正しい方向に導くことこそが現代政治家の責務だと考える」「民族が負った傷は三世代百年は消えない」と。御意。ならば原発はどうする?と尋ねたいが。
▼俳優の加藤武が亡くなったが竹本住太夫の追悼文(日経こちら)。こゝで出てくるのもやはり杉村春子の話。あれ、これどこかで読んだやうな?と思つたら今年三月に加藤武が同じ日経に書いてゐる春子の話(こちら)で、そこに住太夫も登場してゐた。