富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

刹那的世論

fookpaktsuen2015-07-19

農暦六月初四。快晴。NHK日曜討論「安保法案衆院通過与野党幹部に問う」見る。各党別。安倍政権になり弱腰だつたNHKも世論に押されてか司会が解説委員で一本筋の通つた島田俊男で自民党高村への突っ込みが厳しく高村も不愉快さう。

刹那的世論に頼っていたら自衛隊日米安保条約改定もできなかった。国民のために本当に必要だと思うことは多少支持率を下げてでもやってきた。これが自民党の歴史だ。

と世論を「刹那的」と指摘。いやはや。快晴。湾仔。夏恒例で書展開催中。湾仔のMTRから若者多くかなりの人混みだが、けして行列は滞ることもなく迂回で歩く距離は2倍になるがすんなりと入場。メイン会場のみ出版社、書店のブース眺める。入り口すぐの一等地が大陸の出版社連合で「新疆書店」が一番いゝ位置とは。今年はとくにこれといふ目玉の書籍も見当たらず龍應台『香港思索』一冊贖ひ作家講演のブロックへ。「言論的自由港與日籍中文作家的誕生」と題して畏友・新井一二三さんの講演あり。事前予約制で正午から、で余裕で伺つたら勘違ひで午前11時から。前半聞き逃す。聴衆が比較的若いのだがひふみさんが80年代の中国留学のときの話で留学生が当時の「糧票」がなく食事でいかに苦労したか、とプレゼンの画面に糧票を映したら聴衆がまぁ興奮して写真撮る、撮る。若い人には新鮮な昔の話か。本当に当時、USドル札まで見せても糧票がなくて目の前の冷麺が喰へず、どれだけつらい思ひしたことか。この書展、入場については迂回路もよく考へられ雨にも濡れず陽射しも避けられありがたいが会場から出ると、いきなり外で、これはどうにかならないものか、と毎年思ふ。永華雲吞麵で蠔油薑蔥撈麵。家賃高騰で近々閉業のDelany’sアイリッシュパブでギネス一飲。一旦帰宅して龍應台『香港思索』読む。白はDog Point、赤はCh. la NertheのChâteauneuf-du-Pape 2011年携へ湾仔の留家厨房。一二三さん囲み当時、香港映画評書いてゐたS嬢、家人で晩餐。昔語り。劉健威氏も来られ旧交温める。
毎日新聞世論調査で晋三内閣支持は35%で不支持が51%、衆院特別委での強行採決を問題とするのは68%、安保法案反対62%で賛成27%といふ結果。日経ですら一面トップで「景気回復足取り重く」である。