富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

なんでこんなに増えてんのか、分からへんねん

fookpaktsuen2015-07-11

農暦五月廿六日。猛暑。午前中いつもの西湾河〜鰂魚涌公園走るが余りの暑さに日陰ルート開拓。昼に太古岡田屋内の板長寿司に飰すが価格維持で質は低下。銅鑼湾で打合せ一つ済ませ整体按摩。久々にFCCで一酌。家人来て軽く夕食はステーキサンドヰツチ注文で二人でシャアでも十分すぎる。
▼見直しの必要性につき「多くの国民がそう思っているのではないか」と晋三。安保法制でさう言つてもらひたいが、新国立について。新しいデザイン決定には「時間が間に合はない」から現状の案を容認ださうで、晋三よ、それに対して安保法制は(米国への自分が勝手にした約束を除けば)タイムリミットもないはずなのに強行採決を多くの国民反対のなか、よくできるもの。首相官邸でも「安保法制よりも支持されていない、何とかしないと」って危機感なのか、安保法制もその程度の認識なのか。自民党ではTBSが自民党議員対象に安保法制で意見尋ねたアンケートに「微妙な時期なので答えないように」と中共に勝るとも劣らぬ箝口令。その新国立について、安藤忠雄がやつと重い口開いた、と言つても「コンペの条件としての予算は1300億円であり、応募者も認識しています、提出物には建築コストについても示すように求められていました、それは当然評価の一つの指標となりました」と読売テレビの番組宛にFAXでコメント。文科相の「1300億円(といふ予算案)がデザインする人にきちんと伝わっていたのか、検証すべきだ」発言に反論したつもりか。選定後に基本設計や実施計画の検討でコスト増になつた、だから自分の責任ではない、と言ひたいのだらうが「たら、れば」に非ず建築家が建築案採用されるために(とくに大規模な公費による建築では)入札の際に予算条件クリアと嘘つくのは当たり前のことで、それも含め選考すべきでハディッドが「予算度外視の女王」で、あの案など素人が見ても彼女の作風からして予算超過は明白。それが見抜けなかつたとしたら安藤の目は節穴や。それが世界でも有数の著名建築家が番組司会に「辛坊ちゃーん、なんでこんなに増えてんのか、分からへんねん」と宣つたといふ。そのへんが槇文彦磯崎新ら東大建築学系の先生型建築家との違ひ。こ番組司会で安藤と懇意の辛坊ちゃん「安藤さんもすごく怒っている感じで喋りたい気持ちは満々らしいが周囲から止められているという感じですね」と弁護してみせるが文科相までが安藤に責任負はせやうとするのだから「そんな周囲の声気にせんと安藤センセの喋りたいこと全部喋ってしまえばええんや」やろ。いずれにせよ街場から始まり他のどの建築家にもないセンスで世界でも評価高き人でも、それを選考委のトップに据ゑたことぢたいが誤謬。安藤忠雄の設計する建築は施主、建築会社から現場監督、作業員までが「安藤忠雄の設計した建物を実現しよう」といふ意欲の結晶、だからあれができる。ハディッドの建築では新国立にそんな意欲が感じられないから選定後の検討の段階から狂しくなる。朝日新聞(10日)「新国立、当初から費用問題認識 祝賀ムードが危機感消す」がよくまとめてゐる(こちら)。続きは今日「止められぬ巨大アーチ」(こちら)で問題は(記事では指摘避けてゐるが)キールアーチの土木部分が大江戸線にぶつかるとか、ぶつからないとか。