富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

安倍総理は「第三の戦争」に備えよってか

fookpaktsuen2015-02-21

正月初三。濃霧。多湿。昨日に続き黙々と翻訳してゐたら洗濯の終はつた洗濯機が故障。ドラム式で横向きの円筒状の洗濯槽の扉を開けるのだが、その扉のロックの部品が外れたやうで爪が噛んだまゝ二進も三進もいかず(安全面で洗濯中に扉が開かないやうにロックがかかつてゐる事とは別)。上蓋分解して中を覗くが洗濯中の水が漏れないやうになつてゐて、内側からロック外すことも無理。おそらく扉側の塑料カバー壊し開けてロック部分修理の上カバー付け替へが必要。週明け月曜日にサービスセンターに連絡するまで洗濯物も取り出せず。これは困ったもの。iPad割れたり洗濯機壊れたり、とんだ春節となりぬ。午後の内に翻訳終はり。今年に入り競馬は重賞だけ遊び的中続いてゐたが今日のは賀年盃は2年未勝のリアルスペシャリストといふ馬にやられてしまつた。2年間14レースでダメでも評分が120から109にまでしか落ちずのサイズ厩舎で初のモレイラ騎手なら押さえておくべき。夕方Z嬢と出街。バスで中環。FCCで早めの夕餉。米国産牛肉のステーキ。葡萄牙はBeirasのQuinta De Cabriz、Cabriz Maria Joaoなる赤葡萄酒飲む。文藝春秋三月号、岩波『図書』昨年12月号など読む。文春では「テロが起きれば笹が靡く」で佐々淳行がまぁ絶好調で「安倍総理は「第三の戦争」に備えよ」と空騒ぎ。芥川賞小野正嗣『九年前の祈り』途中まで読んだが挫折。芥川賞選考で慎太郎の評が読めぬのは寂しい。岩波の『図書』では楽しんできた赤川次郎←この人の小説は一度も読んだことない、の連載が最終回。

あの大震災、大津波原発事故の後、日本がこんなにも、すべてを忘れて昔の夢を追い続ける国になろうとは、誰が考えただろうか。

なんて寂しい言葉で連載が終はる。「忘れた」のではない。忘却で済まそうとしている。だうしていゝかわからないから、まるで無かつたことに、のやうな思考停止。そこに晋三のやうなのが「美しい日本を一緒に築こうぢゃありませんか」と宣へば、その気分になれる日の本の邦。この『図書』で斉藤美奈子の連載「文庫解説を読む」で『華麗なるギャツビー』や『白鯨』などをゲイ小説として読むことについて述べ『ロンググッドバイ』邦訳で解説も書いてゐる村上春樹に対して、はっきりとゲイをゲイと書かぬ中途半端なほのめかしは何なのか、と指摘。同性愛までいかなくてもホモソーシャルな空間といふのはあるわけで、それを同性愛と混同されては困るのでホモフォビアなる縛りが存在する、といふイヴ=セジウィックの分析を美奈子さんも引用してゐるが、この村上春樹の曖昧さといふのは、あの物語の内容で男に読ませるには、とてもホモソーシャルなところがあるわけで、それを同性愛から区別するためにはハルキ的曖昧さが大切なのではないかしら。