農暦十二月十六日。立春。日がだいぶ長くなつた。鰂魚涌の改衣店に幅直しのネクタイ受領。Ｔ歯科医。先日、蛇羹食した際に一緒に頼んだ糯米飯粘つたのが原因で奥歯の銀カバー取れてしまひ接着を請ふ。十六夜の月が見事。歯医者で２時間何も食べないやうに、といはれ晩十時すぎに煮麺を茹で啜る。
▼なんだか節分＝恵方巻きが日本席捲するが既知のラジオ人・Ｉ氏曰く、親子三代大阪に縁があるが「恵方巻き」を知つたのはこの数年。友達で子供の頃から食べてゐる大阪人もゐるが少なくとも中央区、福島区、此花区にはなかつたはず。で「一陽来復」の儀式済ませて心機一転、こつちの方がご利益があつた気がする、と。
▼「イスラム国」の邦人人質斬首、は旧聞に属すか、マスコミで勢い余つたコメントばかりのなか２日晩のNHK NW9だつたか、保坂さんといふ日本エネルギー総合研究所の方のコメントは印象深いものだつた。NHKも外務省の海外安全情報のノリでテロのリスク管理は「単独行動を避ける」なんて、日本人が集団で行動してたら余計目立つだけだろーが、アホか、これぢゃ紐育で中央公園に向け周辺のビルから銃撃事件あつた時に「公園内を歩くときは標的にならないよう、なるべくジグザグに歩きませう」といふ冗談のやうな注意喚起に近い粗忽思ひ出すばかりだが、保坂さんは「安全保障だとかインテリジェンスといったものがやたら強調されますが、そういうことより寧ろテロに対して注意を必要とする人がもっと基本的な情報、ネットで得られる現地の情報とかに注意する、ってことぢゃないでしょうか」といつたコメントを冷静にされてゐた。NHK NW9といへば４月からキャスター交代の由。あの横柄な、いつかは自民党の代議士狙ひか、の大越と、女性キャスターの暗い声聞かずに済むのはいゝが次のキャスター河野某は大越とは華府支局時代の同僚で「考え方も近く、方向性を大きく変えようとは思わない」。まぁ今のNHKの「体制派」なのかしら。「イスラム国」征伐にシリアを全面に立てた上で最も厄介なテロリスト国家が参戦表明。そも／＼この国がワケのわからぬイラク征伐などするから、中東情勢がこんな混乱に陥つたといふのに。「責任者出て来いっ！」となると、やはりブッシュか。
▼陶傑先生が蘋果日報で「荒漠菩提」と題して「日本人質後藤健二慘遭伊斯蘭恐怖殘殺。這一天，文明世界都與安倍首相站在一起」と、またお得意の皮肉か、と期待？して読み始めたら芥川の「臨終之目」といふ作品、これが何かと思へば「終極的自然之美，是我臨終的眼瞳中的映現。」在日本文化之中……といふ文章から、これが「自然の美しいのは僕の末期の目に映るからである」で『或旧友へ送る手記』（こちら）だが、これまで引用して後藤母も褒め讃へながら
有人從後藤眨動的眼語中解讀其中的摩斯密碼。後藤在最後的時刻，告訴他的祖國：不要救我，他去伊拉克之前，遺志已決，為了義助一個落難的朋友，他知道不惜犧牲，但那裏有千萬求助的生靈，他有風蕭易水的武士逸志。千山鳥飛絕，萬徑人蹤滅，便當此般意境。
だの
後藤臨終的眼瞳，透露的密碼，不止是「不要救我」，而是天國門前的遺書在夜空中，他的瞳孔幻化為孤星，在黃沙的荒漠上，他下跪的身軀從此挺茂為一株永生的菩提。像小說「雙城記」終篇的那位為亡友赴義，為仁愛捐軀的律師薛尼卡登（Sydney Carton），他毅然走上足音永絕的斷頭台之路，他的最後獨白：「這件事，比我一生曾為的更好更好。我去安息之處，比我知道的更安詳。」當屠刀舉起，當夜幕低垂，世人會記住你，後藤先生，和你一雙不滅的眼睛。
と、なぜこゝまで日本をば美化するのか、が陶傑さんの芸風からすると日本人にとつて恥ずかしいほど。そこまで日本人に覚悟出来てゐるとは思へないのだが陶傑さんの言ひたいことは文中の「中國人相信「好死不如歹活」，這一點都深為日本人鄙視。後藤出國，去的是一個沒有得購物的地方，憑這兩條，即可論定日中兩國，在精神文化的層次之上，永遠無法溝通」なのか、で納得したつもり。
▼蘋果日報の社説：蘋論で「為甚麼香港人絕不能接受袋住先*1」と李怡先生。「袋住先」は広東語の
最重要的是，我們要謹守住人權公約中的公民的政治權利，世界上儘管普選方式有千百種，但除了專制政權之外，所有普選的目的就是要體現每一個選民的個人意志，許多國家的虛位元首都有任命民選執政者的權力，但都不會用他的權力不予任命，也不會指定候選人讓選民蓋橡皮圖章。這是對選民個人意志的尊重。只有以黨意凌駕民意的一黨專政的選舉才會有這種扭曲民意的所謂「民主集中制」的「普選」。香港沒有普選當然表示我們沒有政治權利，但如果我們接受了中國普選，那麼就不只是沒有政治權利，而且還讓挾民意授權而實際上是向黨意效忠的特首，甚或日後的立會議員，任意宰割，喪失的不僅是政治權利，而且會是自由法治和我們其他的權利。
提名是最關鍵一着。國家主席只會向提名他的黨負責，不會向數千人大代表負責。中國普選的特首也只會向提名他的黨負責，不會向選民負責。否決政改關係到全港市民是命運自主還是接受宰制的命運被主，也關係到每個人的尊嚴。
……と、この主張ぢたいには一切の間違ひはない。問題は香港より中共の「内政」であることは明白なのだが。
