富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2015-01-12

農暦十一月廿二日。朝、官邸で机上の昨晩の飲み残しの珈琲の中にヤモリさんが溺死してゐるのを発見。かわいそうに。なぜ、こんなところに落ちたのか。机上を這つて来たのか、天井から落下か。土葬。死といふのは本当に、かうして突然のやうに。虚しい。小雨ののち晩は本降り。晩遅く帰宅して豚汁啜りビデオニュース・ドットコムを見る。ゲストは慶応大学の小熊英二先生。ルックスもいはゆる大学教授っぽくないが声もか細く高く個性的。
▼フランスでの反テロの動き。なんだか311のあとの米国のやうな怖さ感じるのはアタシだけかしら。確かに表現の自由は守られるべきだし反論が暴力や殺人はいけないのだが。十年以上前だが巴里の地下鉄のなかで大声でマルクス主義の演説ぶつ男あり。車内でかなり迷惑なのだが誰も「うるせえBeaucoup!」なんて言はず黙認。彼の言論の権利を容認するこことを今でもよく思ひ出す。これについてフランス語圏に留学中の若きK君がライシテを学んだものとして今回の動きは学ぶべきところ多し、と。政教分離は近代の大切な土台でありフランスはそれに努力してきたのだが学校でのムスリムに対する女性のスカーフ禁止のあたりからアタシには素直に土台が理解できない。学校が非宗教であることはいゝが生徒の信心の自由までを奪ひはしないか。本人の信心に対して普遍主義なるものは守れ、と。それに疑問あり。だがK君指摘するに今回のフランスの動きを見て「フランスの普遍主義は欧州中心主義でしかない」なんて否定は安易。やはり、その普遍主義あつての自由や人権でアタシたちはそれを享受してゐる。軽んずるもにではない。