富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2015-01-13

農暦十一月廿三日。いつの間にか新暦の正月気分も抜けてゐた。旧聞に属すが新聞の詰まらない企業の新春協賛広告ばかりのなかで東京新聞はさすが都新聞の流れで芸事のお師匠さんたちの広告並び華やかでよろしい。ウチの祖母が戦争で焼け出され北関東の田舎町に住んでも東京新聞の購読だけは止めなかつたのも矜持。昨日の雨模様から続いて氷雨。かなりの本降り。忙しい日々がずつと続く。帰宅して親子丼食べ睡魔に襲はれ何もできず。
▼朝日夕刊で小熊英二先生の「人権への意識 耐え忍ぶ美徳のワナ」を読む。日本人がなぜ戦争責任を理解できないのか。それは「自分自身が声を上げられずに耐えてきた屈折が、声を上げる他者への憎悪につながる」からだ、と。
こういう環境(ブラック企業や劣悪な条件:富柏村注)で働く人々は外国人研修生の状況を知っても「よくあること」としか考えないだろう。そこで黙って耐えている人々に外国人労働者や「元慰安婦」の人権を守れと説いても「ずるい」「なぜ外国人ばかり優遇するのか」と反応されかねない。
自分の人権が尊重された経験がない者は、他人の人権も尊重しない。日本の民衆自身が不当な状況に声を上げる経験を積まなければ、外国人の人権を尊重する機運は高まらないだろう。
日本は戦後70年を迎えた。労働環境、女性の地位、貧困と格差、歴史認識など課題は多い。だがそれらは、決して相互に無関係な問題ではない。共通して問われているのは、この70年で、日本社会にどれだけ人権意識が根付いたかに他ならないからだ。

読者に記者と記事に親しみ感じさせる狙いなのか、顔写真は出すわ、幼い子どもゐること知らせるわ……従軍慰安婦でU元記者及び家族への脅迫あつたアトだけに新聞社の神経疑ふばかり。