富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

冷静さを欠いている晋三

fookpaktsuen2014-11-02

農暦閏九月初十。今日も休日出勤。官邸で書類整理。午後遅く帰宅して借り物のDVDでジャック=タチ監督の『プレイタイム』観る。様式美としては本当に見事だが作品としては筋がめちゃくちゃで、めちゃくちゃはめちゃくちゃでそれが狙ひなら通るし「ストーリーなんてない」もありだが演出にこだわるあまり結果的に筋がどこかに飛んでしまつてゐるわけだから監督自身が失敗作としてお蔵入りさせた気持ちもわかる。
▼「日銀緩和で世界株高」と読売新聞一面……よく、かういふノリで恥ずかしげもなく書けるな、と呆れる。Paul Krugman博士がかつての日本経済への苦言について「今の欧州のほうがまるっきりひどい」として過去の日本批判に謝罪“Apologizing to Japan”話題になつてゐるが(紐育時報周末版、こちら)これはあくまで欧州に対する強烈な苦言の揶揄として日本への謝罪といふ修辞用ゐたのであつて別に今更バブル崩壊後の日本経済の低迷について謝罪の必要もない。たゞ“I’ll be writing more soon about what’s happening in Japan now, and the new lessons the West should be learning.”といふ予告は気になるところ。
▼晋三の「撃ち方やめ」に関する朝日捏造発言で朝日社説(昨日)正面からの晋三批判に芸がないと思つたが今日の毎日新聞社説「冷静さを欠いている」は秀逸(こちら)。冒頭の「一国の首相の口からこんな発言が軽々しく飛び出すことに驚く」から最後まで晋三がいかにダメか辛辣に執拗に述べる。

従来、批判に耳を傾けるより、相手を攻撃することに力を注ぎがちな首相だ。特に最近は政治とカネの問題が収束せず、いら立っているようでもある。しかし、ムキになって報道批判をしている首相を見ていると、これで内政、外交のさまざまな課題に対し、冷静な判断ができるだろうかと心配になるほどだ。

と「アンタで本当に大丈夫なのか」と晋三見下ろすやうな物言ひが良い。