農暦閏九月初一。早晩に銅鑼湾。怡和街の道路占拠が何だか、もうすつかり日常の風景。馴染みのシャツ屋で誂へのシャツ二枚受け取り。ハイカラーのワイシャツが欲しくなり、先日、山下洋輔さんの写真を見せて「こんな感じで」とお願いした白のシャツ。西湾河。合時小厨でＺ嬢と待ち合わせ。Ｚ嬢はこのあと電影資料館に相米監督の『魚影の群れ』見に行くので、それに杏汁燉豬肺をしみじみと飲みたかつたので珍しく啤酒もなし。豚の肺をアーモンドのスープ（アーモンドの粉を溶いたもの）で燉（スープを器に盛り更に蒸篭にしたもの）なんて言葉では想像もできないが、これが実に身体に優しいスープとなるから中国料理は凄い。それに咕嚕肉（酢豚）も美味い。食事中に電話あり琉球Ｓ嬢が香港に着き銅鑼湾で買い物中だといふ。一旦陋宅に戻り荷物置き銅鑼湾。バーＳの口開けで三更まで飲む。最近入籍されたＳ嬢にお祝ひどころか、かなりネタでいぢり笑ひ尽きず。
▼写真は獅子山に吊るされた普選キャンペーンの垂れ幕撤去する香港政府のヘリコプター……だが、だう見ても普選実施のキャンペーン中に見えるのが可笑しい。
▼香港での民主化運動について日本のマスコミの過剰報道続き東京新聞は「香港政府内分裂の兆し」といふ見出しで何事かと思へば香港政府の公務員の左派系御用組合（香港公務員総工会）が今回の運動の偏向をば指摘したのに対して雨傘革命支持する公務員が署名活動始めた、と「それだけ」の話。公務員にも今回の運動の支持、反対があるのは当たり前のことで、何故にそれが「政府が分裂」になるのか。政府の分裂といふのはソ連で保守派と改革派がソ連解体の攻防とか、政権派とクーデター派で政府が機能停止するとか、さういふ場合のこと。
