富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

五日市様傘寿

fookpaktsuen2014-10-20

農暦九月廿七日。朝から小渕経産相辞任。日経が報道先行してゐたが辞任表明の直後に松島法相も辞任の意志固めると日経の速報。政治資金の問題とはいへ明治座観劇だとか団扇だとか、あまりのベタな低レベルの支持獲得の手段で、これで支持者得て国政が動くと思ふと民度の低さに呆れるばかり。安倍内閣の女性大臣をまとめると「団扇もらって靖国参拝のあと明治座観劇」か。夕刊で朝日と日経を並べてみても二大臣辞任を整理し切れない朝日と余裕で整然と伝へる日経。日経の小淵女辞任の先行報道は見てきた通りだが松島も含め日経がなぜこれほど迅速なのか……と訝つてゐたら経産相の後任に東電の株も澤山所有される宮沢甥子、なるほど、で就任早々「安全性の確認された原発の再稼働は進めていく」と九電川内原発の地元には「できるだけ早い時期に行きたい」。毎日新聞山田孝男(風知草)が明治座天童よしみショーだとか盆踊りでの団扇の真相よりも例へばアベノミクス第二の矢「国土強靭化」が幻に過ぎぬことの解明はしたい、と。十一月までの国会が疑惑糾弾ショーに流れませんやうに……期待しても無理だが。晩に浅蜊のパスタ。豪州のRiverina EstateはBushmans Gullyのシャルドネ 2013年。だうせ不愉快になると判つてNHKのNW9眺めるとキャスター大越、安倍内閣の突然の危機は他人事ぢゃないわけで女大臣二人辞任ニュースの最後は「内閣の立て直しが必要」と、そんな個人的コメントが公共放送で許されるのかしら。蘋果電脳のOS X「よせみて」離宮の1台と陋宅の2台に計3回下戴する。
▼世界を変える6つの要素、とアル=ゴア氏(朝日新聞のインタビュー)。①国境越えて絡み合ふ世界規模の経済、②数十億人がネットで繋がり知識を共有、③生命科学革命、④西洋から東洋への構造再編、⑤維持できない成長、⑥気候変動の危機……1937年にGDPの概念考案したサイモン=クズネッツの言葉を借りGDPは経済政策形成に重要な項目(環境や教育、医療、福祉等か)を考慮に入れていないの経済政策の指標に使つてはいけない、と。GDPが増えても95%の所得は1%の人の富裕層が得て残りの人々はGDPが拡大しても利益を得ない、とゴア氏。
▼特攻隊の気分が分からなかった。お国のために死ねと言われ、なぜ命を捨てられたのか。正気じゃない。でも福島原発事故後の世界を生きて、少しは分かる。あれほどの犠牲を住民に強いた犯罪的な一群がいま、大手を振っている。お上に率先して従いたがる習性。おぞましいと感じる神経だけは手放すまい、と都新聞「こち得」牧ちゃんのデスクメモから。
▼皇后さま傘寿。昨年のお誕生日には五日市憲法に言及あつたが、今年は記者会からの質問に文書でのお答へのなかで

世界のいさかいの多くが、何らかの報復という形をとってくり返し行われて来た中で、わが国の遺族会が、一貫して平和で戦争のない世界を願って活動を続けて来たことを尊く思っています。遺族の人たちの、自らの辛い体験を通して生まれた悲願を成就させるためにも、今、平和の恩恵に与っている私たち皆が、絶えず平和を志向し、国内外を問わず、争いや苦しみの芽となるものを摘み続ける努力を積み重ねていくことが大切ではないかと考えています。

何かと靖国だ、戦前回帰だ、の象徴と見られる遺族会、その遺族会を「一貫して平和で戦争のない世界を願って活動を続けて来た」と言ひ放つ五日市様のこの思慮深さに、ただ/\敬服。遺族会にしてみれば「英霊の顕彰と慰霊」のはずが皇后による平和を願ふ組織といふ位置づけがこれからどれほどのバイアスになるかしら、お見事。遺族会といへば元会長の古賀さんは野中翁らとともに旧自民党の良心なわけで、そこを踏まへた遺族会平和団体発言は暗に痛烈な晋三批判かしら。
バチカンの世界代表司教会議で離婚や同性愛に関する寛容案見送り。カソリックといへば神父様のお稚児趣味、少年虐待で醜聞続き、それでも同性愛に寛容になれぬのは不思議だが、つまりは自分たちの少年愛は「禁断こその快楽」であつて、大っぴらにホモが手を繋ぎ路上でキスをして結婚まで認められる、といふのは修道院の奥深くでの聖なる儀式こそ愛の極みの神父様にとつては、やはり受け入れられないことなのかしら。