富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2014-10-15

農暦九月廿二日。金鐘道が開通したことで今朝はかなり道路状況は改善。道路封鎖後初めてオンタイムで動ける。都新聞に香港の状況につき「香港の父」李柱銘氏が憂慮、といふ記事。いつからマーチン李柱銘が「香港の父」になつたの?と思つたら「香港民主化の父」を見出しで略称。ちょっと大袈裟すぎ。マーチンは「まずは香港の行政長官が北京に行き、香港の実情に合わない不公平で誤った前回の報告を訂正しなければいけない」とコメントしてゐるのだが記事中に「前回の報告」が何か説明なし。アタシも何だか知らない。客人あり夕方時間があつたので金鐘にお連れする。最近、金融系日本人の間で“PP”と呼ばれるのをよく耳にするパシフィックプレイスで車を下りPPから昨日までは道路占拠されてゐた金鐘道を渡りAdmiralty Centreまで全く普通の香港のビジネス&ショッピング街の風景だがAdmiralty Centreから海側を眺めるとHarcourt Rdには人、人、人。香港政府総部に渡る歩道橋はビルから直接の入口は閉鎖。一旦、地面に下りると地下鉄入口は澤山のメッセージ、トイレの場所など示す案内が貼られ路上は演説をする人を中心に静かにそれを聞き入る市民。お連れした方も、その「空気」にいろ/\感じることあり、と一言。日本で「自由」は空気のやうで自由を真摯に希求することもないばかりか自由が脅かされても無頓着どころか寧ろ自由奪ふやうな政権支持する輩多しとは。自らの政治的立場は別としても、普通に学生や仕事帰りの市民が此処に立ち寄つてゐる風景が、日本でなら「デモに参加する」といふのは「特定の思想」と色眼鏡で見ることになるのに比べ何て自然なことか、ともう一人の客人の弁。このエリアを出れば復た金鐘で帰宅ラッシュのなかPPに戻り混雑する金鐘道から花園道に上がり山頂へ。少しガスがかつた夜景愛で山頂廣場のCafe Decoの窓際の卓で夜景見下ろしながら、のお食事。Cafe Decoは十年前にZ嬢のマイレーヂポイント残数消化で一度食して以来。確かに唯靈先生も好きなタンドリチキンも羊肉も柔らかくて美味。その場で焼くナムも良い。食後、暗い山頂道下るなか金鐘は(アトで知ったことだが)前線で警察との衝突あり。
▼特定秘密法12月10日施行と晋三が閣議決定。こんな重要なことがあんな国会審議で可決されこんな閣議決定で施行とは。晋三にも呆れるが平和の党たる公明党にがっかり。これで施行されてしまふと今後これに疑問視する内閣が出来ても特定秘密法廃止なんて「日本がテロの脅威にさらされてもいゝといふ了見でござんすか?」と質され、それも出来やしない、となる。本当に困ったもの。
▼今日の都新聞「こち特」で牧ちゃんのデスクメモ。

平和で勤勉で福祉が行き届いた国。ひと昔前に海外がうらやんだ日本のイメージだ。しかし、そうした誇るべき要素はグローバル化政策で崩れ、この国の国際的地位も急降下した。海外の人が関心を持つのは、その国の優れたローカル性だ。そうした常識を欠いたグローバル化など、浅慮以外の何物でもない。

▼信報で林行止引退後を襲ふのは多分この人だらう、と思われてゐる(ゐた?)練乙錚は頭はいゝのだらうが良すぎて文章は正直よくわからない。それでも十三日の信報に掲載された「是否革命?林鄭縮沙?運動失控?能否佔立?」は面白い。恐らく誰も読んでゐないのだらうから少し紹介しておく。佔中運動が三週目に入り気勢弱化は戦意喪失の学生ではなく豪州企業からの顧問費疑惑スクープされた行政長官CY梁と政府代表して行政改革担当であつた「林鄭政改三人組」。前者の萎縮はわかり易いが政府No.2の林鄭オバサンが学生たちとの対話も取り消すなど後退の理由は何か?と練乙錚。それはこの対話の中にテーマとして「政制發展的憲制基礎及法律規定」入れたのだが、この「法」関係の議題は香港的には現実の法律などに基づく「道理と事実」であるはずなのだが、北京的には中央や全人代常委など上部組織の決定が即「法」であり、だから香港の行政長官選出の占拠方法について香港の「法」の実情などよくわからない「北大爺」たちが決定した、それが「白皮書」で、これに香港の学生たちは唖然としながらも、優秀な若者たちなので中共にだつて選挙民が候補者選出できる「公民提名」制度*1があり、それが大陸では合法なのに香港ではそれを求めることが違法行為となるのか……といふ点を指摘したのだが林鄭政改三人組(政務司司長林鄭月娥、律政司司長袁國強、政制及內地事務局局長譚志源)がこれに真っ当に答へることが出来ず、他に相手納得させるやうな理論も見いだせず、たゞ対話をしない選択しかなかつたのではないか、と。練乙錚はこの学生さんたちの賢明ぶりをかなり買ひ

設想沒有這種組織形式,整個運動由一個一元化機構領導,由少數人指揮一切,則很容易失敗:只要政府強行作砍頭式鎮壓,一舉把幾個運動的最高領導逮捕,或者僅僅是用電子方法切斷這個領導組織的電子通訊渠道,運動便會全線潰敗,所謂蛇無頭不行。但新世代完全不來這一套,他們三五成群、三五十成堆,於有政治行動需要之前已經自然地有機存在,有各自的內部訊息網絡,成員之間深度認識、彼此信任,還有某種程度的家庭支持,所以一旦政治動員起來,一個個都成為最靈活、最有韌性、最難消滅的行動組織;這些組織之間有鬆散但高效的電子平台提供膻向聯繫,一旦出現一個大家都可以認同的號召,便可極速連成一氣,源源不絕一波又一波出擊、休整、再出擊。
佔中新世代一出台,便把這種新的組織和動員模式發揮到完美極致,以至老一脫的社運模式、政黨動員模式,幾乎完全不起作用。事實證明,這種社會運動的新的組織形式能夠有效佔領公共空間。下一個考驗是,同樣的組織形式或其某些變種,能夠幫助新世代佔領關鍵的議會議席嗎?

と未来を想像してみせてゐる。理論的な交渉がほゞ不可能ななか道路封鎖の現場で「不法集会」容疑で検挙した市民を警察が物陰で蹴りいれたり私刑、マスコミがその場面を撮影し動画が流れた上に、その暴行受けた男性はコトあろうに公民党のメンバー。一流の弁護士揃いの公民党はさっそく抗議。香港警察もこれはヤヴァい。

*1:中共の「公民提名」制度とは 一、大陸的人大代表直選機制,包含「公民提名」,而且門檻很低,只需10個選民聯名,便可提名一人參選上一級的人大代表議席; 二、大陸的省和直轄市等各級地方政府首長的產生機制,包含「代表提名」,只需30位同級人大的代表書面聯署,便可提名一個候選人參選省長、直轄市長等領導職位(放在香港的話,這好比每3個立法會議員便可提名一位行政長官候選人); 三、處理人大代表或政府首長候選人名單的委員會只是事務機構,完全沒有諸如投票決定或否決某位候選人「入閘」的實質權力。