富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

香港国際ピアノコンクール中止

fookpaktsuen2014-10-07

農暦九月十四日。朝日新聞漱石の『こころ』が終はつてゐた。鳴り物入りで『こころ』が百年ぶりに再連載された時期と朝日の誤報騒動の時期見事に重なつてゐた。『こころ』は改めて毎日読んでみると、中学生のとき以来四度目くらゐだと思ふが「なんでこんなにつまらないのか」と初めて思ふ。「私」の憂鬱も「先生」の悩みもアタシには微塵も理解できず。若い自分に自分の方向性が見えないとか、何か悩みがあつても、それをあゝいち/\小説に出来たってのが、当時は画期的だつただらうが今わざ/\それを読もうといふ気になれず。続く『三四郎』はまだ通俗小説として読める鴨。列車で向かひ席に坐る男と目があつた三四郎が「男はもう四十だろう。これより先もう発展しそうにもない」なんて表現が百年前と今とでは意味の通じやうが違つて可笑しい。晩の月が美しい。帰宅して窓開けて少し涼しい秋風を感じつゝ湯豆腐。
▼香港ショパン協会主催の第4回香港国際ピアノコンクールは中環の市大会堂が会場で「暴動」の影響で中止決定の由。27日のこのギャラコンサート、Peter Frankl、Pascal Rogeにアシュケナージで切符も買ひ凄く愉しみにしていたのに。残念。香港でこんな大変な事業を私財を投じてやつてゐるのがDr Andrew Frerisといふ方で、BNP Paribasでアジア大洋州地区のチーフエコノミスト。音楽に対する思ひ入れ強し。市大会堂が会場で、私なら、こんな時期だからこそ素晴らしい音楽会を!と思ふが、音楽はもつと落ちついた環境であるべき、と思つたのか、もしかすると佔領中環で打撃を与えようとターゲットにされた投資銀行の主管なのでかなりイライラなのかw……と思つたが考へてみれば会場周辺が安全でも道路封鎖で何台ものグランドピアノが運び込めないか。毎回、スタンヱイ(これは会場に常置)、ヤマハ、河合、FAZIOLIなど5〜6台のピアノを並べてゐたのだから。
▼信報の林行止專欄が民主化運動の学生に評価高し「漂亮一仗含悲喜 勸退不是進更難」。

學民思潮召集人黃之鋒對記者說,警察出動胡椒噴霧是清楚行動快將展開的先兆,隨之而來的手法會更激烈甚至兇殘,所以中學生需要迅速撤走,而走開並不代表失敗,不肯離開才是損失,別人出動橡膠子彈打你而你不走,送入醫院,就是失敗……。青年人說得很清晰,抗爭的目的,不是為了做烈士,而是爭取民主,參與抗爭的,多數明白幾天的集會不可能那麼輕易取得公民提名,要是未有公民提名前,學生已躺在醫院,那是毫無意義的犧牲。黃之鋒的想法,反映了年輕一輩並不盲目,亦不衝動,比很多成年長者更機智更穩重!
兩三晚前的旺角街頭,兇神惡煞的「遊人」穿梭,一臉稚氣的青年人坐在路中心接受訪問,記者問:「你不害怕嗎?」他說:「不怕!」然後補充說,「那些人兇巴巴就想嚇退我們,想我們放棄抗爭,我若害怕便中了他們的詭計……。」這位鬚根未長的小夥子,通過熒屏讓觀眾切實看到「無懼勇者」的真身,見識到香港要是沒有不合理的破壞和阻撓,前景應該是更有希望更為亮麗,因為眼前新一代的香港人,他們更懂事、更文明、更優秀、更有勇氣和承擔!

確かに今どきの日本などの若者に比べたら立派ではある。だがBBCの報道ださうだが英国で戴卓爾夫人の私設秘書だつたLord Powell氏は「佔中」は現実的ではない、何故なら香港の政治権力は限定的で香港市民は現有する自由の維持に努めるべき、と(信報*1)。現実的にはこれか。それにしても「香港は中国の一部であり英国が香港で民主化進めなかった原因の一つは香港が将来的に中国に返還されるのでもし香港を民主化したら返還以降に状況はもっと悪くなると判断したからだ……」って「本当にさうかよ?」と思ふが。ところで連日、大公報の1面記事を、この日剩に載せてゐるが、さすがにネタ不足で肥黎(蘋果日報社主)が佔領中環運動に資金供与の由(笑)。

*1:香港前途談判期間,擔任英國前首相戴卓爾夫人私人秘書的鮑威爾(Lord Powell)向BBC表示,佔中不切實際,並說香港的政治權力一直都是有限,港人應珍惜現有自由。(略)香港一向是中國的一部分,英方當初不在港推行民主,原因之一是英國知道香港終歸一天要交回中國,如果給了香港民主,然後拿回,情況會更差。