富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

政情變色遠近間

fookpaktsuen2014-09-23

農暦八月晦日秋分。早晩に久々に大埔のBobby Londonで麦酒飲む。アタシにとつては初飲みから四半世紀近い実家のやうなパブ。店で働く鯔背な青年たちは二代目かしら。たまにしか来ないが常連のやうに迎へてくれる。大埔のこのあたりやはり面白い。電気屋も素敵。お洒落なアイリッシュパブなんかも出来てゐる。子どもの頃思ひ出すやうな黄昏時。
▼「香港 民主か経済か」と都新聞の香港電。行政長官選挙普選での民主派の抗議活動、香港の学生諸君らの講義ボイコットが大きく取り上げられるが香港でそれほど騒然とするやうな政治不安定にはなつてゐないのだが……十月朔日国慶節に合はせた佔領中環がだうなるか、は別として。この記事でも「高度な自治を約束したはずの「一国二制度」は岐路に立たされている」といふが一国二制度は1998年あたりにはすでにかなり不安定要素露出だつたはず。この一国二制度について信報で林行止専欄が九月十七日から三回にわたり「政情變色遠近間」と題して長文の評論を載せてゐて信報から辞去近いと噂される創業社主の、これはかなり大切な記述か、と思つて読んだのだが(こちらにコピーあり)正直言つて何が言ひたいのかアタシには読みとれず。
▼同じ都新聞(本音のコラム)で鎌田慧氏が朝日新聞バッシングで翼賛「売らんかな主義」マスコミの「国益を損する」「日本人を貶める」は晋三の「日本の名誉が傷つけられた」といふ朝日批判と同工異曲で政治的、陰惨で愛嬌がない、と。週刊新潮は宿敵朝日を「謝罪の大バーゲン」と揶揄、「三年半にわたる原発報道の嘘を徹底検証せよ」と息巻く週刊誌もあり、と←週刊ポストか(だが、週刊ポストの「朝日が自ら嵌ったプロメテウスの罠」といふ見出しは秀逸かも)。鎌田先生曰く、吉田証言が虚偽でも軍が関与した従軍慰安婦の存在は逃れられぬ事実、ついでに「南京大虐殺」否定に持ち込みたい歴史修正主義社中がをり、原子力帰省委の委員長が「安全だとは申し上げない」としつゝ川内原発は新基準に適合と認めたことに「規制委を信頼」「その判断を尊重し再稼働を勧めていく」と強硬な晋三。朝日の吉田メモ誤報から「混乱はなかった、東電写真は勇敢だった」といふ神話づくりは原発再稼働のため「放射線は怖くない」の政府活動……。事故から反省もない、幸せなお国柄よ。
▼大相撲。昨夕の相撲(九日目)1敗だつた稀勢の里豪栄道が破つた瞬間の写真。土俵下で全勝の白鵬の表情。偶然の表情なのだらうが横目でニンマリに見えるから写真は怖い。