富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

朝日謝左衛門

fookpaktsuen2014-09-12

農暦八月十九日。夜中の三時すぎに眼が覚めてしまひ何気にネットで新聞見ると深更に朝日新聞デジタルがトップ記事で「みなさまに深くおわびします 朝日新聞社社長」「吉田調書「命令違反」報道、記事取り消し謝罪」と見出しが踊る。未明に早刷り眺めると一面全面から5面まで謝罪記事、更に2面の特集記事に社会面も含め朝日謝左衛門……の読みは「あさひあやまりざえもん」か「あさひしゃざいもん」か。ところで朝日がこの「吉田調書」スクープの五月二十日のことふと気になり迂生日剰遡ると朝日のこの一面紙面の画像借用してゐるが幸いに?これで吉田所長の頑張りに比べ東電社員の屁っ放り腰といつたコメントしてをらず。歌舞伎の小山三さんの『ひとり語り』読み十八代目のことなど綴つてゐる。吉田調書のスクープ記事は「やはり書き置きがあったのか」とは思つたが東電の(管理職は論外だが)原発の現場の職員がそれほど屁っ放り腰かしら、日本人のサラリーマン社会で所員の9割が非常事態の現場でトップの命令に反して逃避?と不思議に思つて程度。あの調書から、だうすれば「吉田所長命令に違反、原発撤退」と書けたのか、不思議。新聞記者ですらネット世代でネタの「読み込み」ができぬのか。毎日新聞で「メディア史の分水嶺」と題し編集編成局長が「一方、今回、多くのメディアが過剰な朝日批判を繰り広げた。感情的な、あるいは利害関係から行う批判は、報道機関の信用毀損を拡散し、報道機関全体の信頼を失わせることになる」と……で、自虐史観否定の歴史見直し社中や原発まだ大丈夫派たちが勢ひつくだけ。いずれにせよ朝日の誤謬がいけない。本日驟雨続き。午後三時からだか香港の民草の多くが午後3時から蘋果商店のサイトに殺到してiPhone 6の購買に夢中。これを買つて3倍の値段で転売できる由。夕方になり雨歇む。晩にコロッケ揚げて飰す。
朝日新聞漱石『こころ』でKが亡くなつた。これを「やっと」と言つてはいけないか。Kの死はどこまでが本当に「先生」の所為なのかしら。Kの元来の気質に拠るところ大だらうし、そも/\Kにそれほど魅力が感じられない、と改めて思ふ。