富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

澳門一日遊

fookpaktsuen2014-09-07

農暦八月十四日。Z嬢と朝十時のジェットフォイル澳門に往き終日遊ぶ。百年一日の如くXiolas O Castiçoで昼餉。日曜とはいへ今まで見たことないくらゐ一見客で繁盛。Herdade de São Miguel 2012年、鶏のレバー煮と豚と赤豆の煮物飰す。氹仔のいつも料理屋の厨房入口で寝てゐる犬二匹とZ嬢が遊ぶ。路線バスで市街に戻りMacpro Galleryなる画廊で葡萄牙代表する建築家Álvaro Siza(1933〜、こちら)の建築写真展“A Sombra da Luz”参観。路線バスで荷蘭園。Arquivo Histórico de Macau(澳門歷史檔案館)で“Arquivo Histórico de Macau”つまり澳門の颱風に関する歴史資料の展示見る。過去30年の澳門襲つた颱風のテレビニュース報道をでれ/\と流すヴィデオが小一時間あり猛暑に涼んで眺めるには面白い。禮記でアイスクリーム。路線バスで市中心。何東図書館のヴェランダに憩ふ。驟雨。中庭に降る雨眺め無聊。邊度有書に猫を愛で早晩にMacau Soulへ往く。今日の澳門往きの一つの目的はこのMacau Soulで亭主の英国人H夫妻に、八月に銀座渡邊版画で購入の巴水の来年のカレンダー届けること。もうこれで三年目。お酒よく飲む夫妻なのでH夫人にヘパリーゼも差し上げる。店内に掛けた絵画模様替へで巴水も二枚メインフロアに掛かる。昼餉が重く感じたまゝでさっぱりとMonte d'Orio Madrigal Viognier 2010年飲む。そのあとTaylorsの20年物とヘンリーマッケンナ供される。後者はこのバーボン、どこで買つたの?と尋ねると京都のカメラ屋(ビックカメラか?)。晩の六時から十時過ぎまで飲み続け晩十一時前のジェットフォイルで爆睡で香港に還る。
▼日経(文化欄)で七月に香港書展に参加の中島京子さんの手記あり「文化行き交う港」(こちら)。香港のあの騒然とした書展もこの方にかゝると素晴らしいハーモニー。事象を本当に優しく見つめることのできる人。『小さいおうち』が反戦小説と読まれることに些か驚きつゝ(あれは当時もかういふ生活をしてゐる人たちがゐた、その人たちがだう戦争の時代に巻き込まれてゆくのか、の話なのだらう)、それでも「日本の小説家(に代表されるところの、日本の人々)が、反戦の思いを持っている、と伝えることはやはり重要なことだと解釈して」それを話すやうにした、といふ。首相や閣僚があゝでは文化人がさうした「良心」担ふ以外に術もなし。

都新聞で浜矩子女史「取り戻したがり病が怖い」と。「彼ら(←晋三社中のこと)が崖っぷちに向かって疾走するのは仕方がない。だが、それにつき合わされることはご免こうむりたい。 取り戻したがり病から、我らの時代を取り戻す必要がある」