富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

思考停止

fookpaktsuen2014-09-04

農暦八月十一日。客人あり昼に北角の甘飯館に飰す。驟雨。晩は六国酒店の粤軒にて宴会あり末席汚す。
▼晋三の内閣改造、「日本を取り戻す戦いの第二章」などと宣ふが斉藤美奈子が「取り戻す」を標榜する安倍政権の一年半で日本はどれほどの多くの財産を「失った」ことだろう、と。この内閣改造に騒ぐ人々の気が知れない、といふのは昨晩久々にNHKのNW 9見たがまぁキャスター大越らの騒ぎっぷりは異常。朝日のオピニオン欄で晋三のこの一年八ヶ月で「風向きは変わったのか」といふ特集あり小林よりのり氏のコメントがとても良い。晋三人気のネット右翼の排外主義はもはやNoisy Minorityでhなくテレビなどマスコミにも侵蝕し、この空気も政権を後押し。「嫌韓反中」といふ「武断的な言説」は「日本人であることだけですごい」と言つてゐるだけ。「何事もなしえない非力な自分を全面的に肯定してくれるから無邪気に喜んでしまう」。さうした心意気は「保守」に非ず、と小林先生は「保守のなんたるか」をを集団的自衛権原発の問題で語る。それでも時代の空気は脱原発集団的自衛権行使容認反対といふと左翼と決めつけ、靖国参拝すれば何も考へず賞賛……かうした思考停止の空気が問題、と。御意。
▼朝日といえば結局掲載となった池上彰「新聞ななめ読み」の慰安婦報道検証「訂正、遅きに失したのでは」の再掲載もあります。読んでみましたが、あれのどこに、朝日として「掲載せず」とする理由があるのでしょうか。池上氏のコメントは相変らず、読まなくてもわかるやうな当たり前のことを丁寧な言葉でバカにでもわかるように書いているだけです。そんな当りさわりのない内容なのに朝日新聞が自分たちの新聞のミスについてとはいえ、なぜそこまで傲慢になるのか。新聞は主張として他者への批判は避けられないわけですが、それは言葉は悪いですが「やりたい放題」で自らの誤謬には緩い、朝日新聞もこれまた思考停止と言われても仕方ないかもしれません。