富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2014-08-27

農暦八月初三。
毎日新聞の社説「香港長官選挙 自治を形骸化させるな」(こちら)。

中国国内の民主化も進まず、習近平政権は穏健な社会活動家に対しても取り締まりを強めている。このままでは訒小平氏が約束した「1国2制度」も形骸化するのではと香港住民が危惧するのも理解できる。全人代常務委は月内に結論を出す見通しだが、民主派は「住民指名」などが認められなければ、金融センターであるセントラル地区を占拠する方針を示している。混乱は好ましいことではないが、こわもてだけでは反発を招く。香港住民の微妙な心理への配慮も必要ではないか。

と、まぁそうですね、といふ感じで「それで何が言ひたいのよ?」は毎日新聞らしいが、この社説によると香港の行政長官は「これまでは経済界や労働界など各界から選ばれた選挙委員会による間接選挙で選ばれてきたが、香港政府は1人1票の直接選挙方式を採用する方針を決め、全人代の同意を求めている」って、そう書くと何だか香港政府がいかにも民主的で中国政府に対して良心で以て抗してゐるやう……だが現実にはさうぢゃないのだが。
▼社説といへば読売の社説「慰安婦問題 史実踏まえて新長官談話を」が凄い(こちら)。「史実に基づいた慰安婦問題の情報を世界に発信していきたい」って、そりゃ頑張っていたゞきたいが、その「史実」が「軍による明らかな強制連行はなかつた」といふ主張から派生して何だか史実を超へさうなのが怖いところ。マスコミの朝日叩きの凄さ、これで利するのは読売、産経ではないのだが。

米倉さんは「平和とは人間が生きること。戦争は人を殺す。生きるために9条を守ります」と世田谷九条の会の発起人の一人。2003年に出した絵本『トトとタロー』について「また、夏が来た。決して忘れることのできないあの日々。沖縄の人たちの死、ヒロシマの人たちの死、ナガサキの人たちの死。ボクの弟もあの夏、栄養失調で死んだ」と。