富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

慰安婦報道と原子力の平和利用

fookpaktsuen2014-08-06

農暦七月十一日。読売が朝刊一面で「朝日慰安婦報道で「誤り」一部記事取消し」と報ず。社説も「吉田証言ようやく取消し」で政治面では「政府与党で朝日の責任問う声、軽卒、自己弁護」で更に一頁割き「朝日慰安婦報道要旨と問題点」の特別面で最後は「本紙、繰り返し誤り正す」と、結局此処が着地点か(嗤)。これに対して毎日新聞は1面トップで同じ朝日記事取り上げても「石破氏が国会で検証も、と言及」と朝日誤報より「報道に対する政治の介入」憂慮。防衛白書も広島の原爆忌も飛んでしまふ。防衛白書に防衛相小野寺某曰く「防衛省は新たな防衛力のあり方を実現するため第一歩を踏み出した」と、いつたい何への第一歩なのかしら。中国といふ願つてもない脅威。敵は自らの心につくられる。マッチポンプ風が吹けば桶屋が儲かる軍事産業。晩に陋宅でパスタ茹でRobert Mondaviのメルロー2010年飲む。珍しくテレビつけるとNHK特集でビキニ水爆実験と日本漁船の被曝で「60年目の真実」といふ番組放映中。漁民被曝の記録が(毎度のことだが)先づ米国政府の機密文書公開ありき、日本政府は厚生省が戦後ずっと「ない」としてきた被曝データが実は検査結果の詳細が日本政府からきちんと米国政府に渡つてをり外務省の古文書にも、その証拠あり。地道に高知で当時の日本漁船の被曝を調べる研究者らが高齢となつた当時の漁民の歯のエナメル質から被曝量測り第五福竜丸始め98隻!もの漁船員が被曝してゐた事実を実証している。米国はソ連との冷戦で水爆実験に邁進のなかマイナスとなる日本漁船被曝は低調に扱はれ戦後の日本には原子力の平和利用といふキャンペーンが張られ原発推進へと向かふ。朝日新聞慰安婦報道での誤報も困つたものだがビキニ被曝の事実を隠したまゝで今回も「まず記録が遺つてゐるか確認する」としか言へぬ政府(厚生労働省)や原子力の平和利用に積極的に加担した正力松太郎の読売新聞の責任は蔑ろにされるのだから。
野坂昭如脱法ドラッグのことを語つてゐる(毎日新聞の「七転び八起き」)。アルコールと煙草で中毒であつた氏が薬物中毒の怖さを戦後のヒロポンから話を始めるのだが、ある一定の薬物だけを取り締まつても始まらない、依存症に陥る可能性秘めたものが巷にいくらでもある、としてマリファナ解禁を主張してゐるのが面白い。米国で一服したことがある、といふ氏は煙草に比べマリファナは習慣性が低く、平和に妄想を追へ気持ちが穏やかになり「年寄りにのみ配給制で」と(笑)。「何が良くて何が悪いのか、かつての大日本帝国は若者たちにヒロポンを強制した←特攻隊のこと。これはこれで事実である」と。賛成。まぁ日本がマリファナ解禁できるのは中国よりアトだらう。
▼信報が社説で「踩沉壞女人不難 重建壞招牌不易」と評するのは中国紅十字会(中国赤十字)について。中国赤十字は郭美美といふ美貌キャラの女性を「中国紅十字会商業総経理」といふ、謂はゞ客寄せパンダにしてゐたが、昆山で工場爆発、雲南省で大地震、対岸の高雄でもパイプライン爆発と惨事続き赤十字の活動も忙しくなるなか、この女性がサッカーW杯での秘法賭博の容疑で謙虚され、この女性の高層相手の淫売の噂もあり。中国赤十字といへば2008年の四川省汶川の大地震で芸術家らが作品オークションなどで寄付した8,500万元が被災地に届かず赤十字内部で不明朗に着服された疑ひが記憶に新しい。赤十字の活動が一番求められる災難続きのなか、この醜聞騒ぎとは……。