富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

The third arrow

fookpaktsuen2014-06-27

農暦六月朔日。酷暑。摂氏33度だかの暑さで炎天下では体感気温はもっと高いが終日の出先仕事で日傘に隠れても汗だく。早晩に中環。FCCにて深井O氏と食事。面識得て「近いうちに食事でも」が数年に至る。アンティパストを肴にVinicola Zonin Chianti 2012年、食後にMoët & Chandon飲む。
▼英エコノミスト誌の巻頭特集(こちら)は“The third arrow”と題して“Shinzo Abe has the best chance in decades of changing Japan for the better. He seems poised to take it.”なんださうで“Mr Abe must go further. And across the range of reforms, he will have to force change on those still determined to resist.”と応援するのは経済改革さへしてくれゝば誰でもいゝのが経済界。
▼郷里の畏友J君が水戸で一番古い神社は724年に京都の上賀茂神社賀茂別雷神社)から分祀の大工町、別雷皇太神、通称雷神、京都の本社同様に「雷難消除」に霊験あらたかと伝はる、と顔本に書いてゐる。「雷神さん」は馴染みのある言葉だが「別雷」が「ワケわかんね〜」と子どものころ、それが高校生くらゐで「わけいかづち」と識ると「雷を別ける」かと解り、今になつて中国語だと「別」は「不要」と同じかなり厳しい否定で「別雷」はまさに雷難消除か、と納得。 ←これ、勝手な誤解。「別」のアトに来るのは動詞で(別来とか)、別+名詞の用法なし。正しくは「わけいかづち」とは「雷神が矢に身を変へて賀茂氏の女を身籠らせ出生、やがて昇天した幼神」のことで「若雷(わかいかづち)」が「別雷(わけいかづち)」と訛つたもの*1

*1:畏友、久が原のT君の教へによれば、賀茂両社は三神一体で、賀茂別雷神社上賀茂神社は「子・賀茂別雷大神」祀り、賀茂御祖神社下鴨神社は「御祖(みおや)」の名の如く「母・玉依日賣+母の父(=母方の祖父)・賀茂建角身命」を奉祀、で「母系の三神」。これが中世の能「賀茂」では「別雷+母+父(矢に変じて玉依を身籠らせた在天の雷神)」で「父系の三神」に入れ替はり、祭政一致の古代母系社会から父系に基づく中世武家社会への転換を如実に反映してゐて面白い、と。