富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2014-06-22

農暦五月廿五日。日曜日。雨模様。陋宅にていろ/\片づけもの。台所の換気扇保全。温水器が壊れてゐるのも電気系統は異常なし。それ以上は素人目にはわからず、これは業者に要手配。Z嬢と尖沙咀の映画館で張藝謀監督、鞏俐主演の映画『歸來』観る。張藝謀、『紅高梁』に『菊豆』が高く評価されたあと『大紅燈籠高高掛』でかなり様式美に逝ったね、といふ感じで『活着』は好きだつたが『満城尽帯黄金甲』の歴史宮廷劇巨乳大作でアタシはダメ、たゞ今回の映画は何人か、かなり信じられる人が好意的な評価で、これは見てみませうか、と。文革。鞏俐が老け役で、もう倍賞千恵子なみにいゝ。夫役の陳道明が、文革で批判された知識人役がニン。張藝謀の世代にとつての文革。この悲劇、それでも毛X東の否定は無理なのがジレンマ。この映画の原作は厳歌苓の『陸犯焉識』、これも一寸読んでみたい。Ashley街のGaylord印度料理店でA氏と早めの夕食済ませ文化中心。中国戯曲節(こちら)。今晩は河北省京劇藝術研究院で何と言つても同院院長務める裴艷玲。梨園の名家に生まれ女性ながら立役見事にこなすから立派。幕開けは裴艶玲がスッピン、軽装で舞台に現れトークショー的に新水令(こちら)を崑劇の戦記物「夜奔」「探莊」「乾元山」「蜈蚣嶺」でそれぞれの主人公たる林冲、石秀、哪吒、武松の演じ方で同じ新水令が、だう違ふ演出か、を発声、所作の違ひで見事に演じ分けて見せる妙。あまりの見せ場続きに場内沸き中入り後の他の役者二人の「武家坡」の芝居がまぁ翳むこと。最期の芝居は「洪洋洞」で、これも主人公(楊延昭)演じる老け役で軽装の裴艷玲の歌が聴かせところ。今年67歳でまだ/\元気だらうが香港に初めて来たのが28年前だとかで今度はいつになるか、のコメントに昔からの贔屓がまぁ「再来!」と騒ぐ/\。
河野洋平先生が河野談話について晋三の談話継承は「内閣が認めた以上、これ以外の発言は国際社会にも不規則発言だとはっきり言わないといけない」「国際的に普遍的な歴史認識と人権問題を日本は正しく認識しないといけない」と語る。晋三の談話検証につき「軍の施設に慰安所があったのは疑う余地がない。大勢の女性がいたのも否定できない」ことで慰安婦の募集について「自分からやってきた人もいるかもしれない。連れてこられた、だまされ甘言で来たかもしれない。いろんな集り方があった」わけで「施設に入れば軍の命令で働かされた。「帰る」と言っても帰れない。そういうことになれば強制的なものとみるのは当然」と。至極当然。だが我らが読売新聞は検証で判明したのは「韓国側の再三の削除」で社説でも「談話の見直しはいずれ避けられない」と困ったもの(こちら)。それに比べて毎日新聞の社説「これで論争に終止符を」のなんてしっかりしてゐることか(こちら)。
▼陶傑さんの蘋果の連載で香港返還総括するやうな「從第一步錯起」(最初から間違ってた)が面白い。

訒小平是一個物質主義者,對於何謂現代化,他的認識,停留在庸俗的「發展是硬道理」的GDP物質層面,他以為中國人只要飲食和穿衣,不須精神上的富足和人格的追求,香港人也一樣。所以訒小平的「港人治港」、「生活方式五十年不變」只是「馬照跑、舞照跳、股票照炒」。
但是在資本主義社會,像英美和歐洲,絕大多數人不賭馬、不去夜總會嫖妓、不炒股票求急財,而是絕大多數,都有選票,都是人權完整的公民。
但這不止是訒小平、而且還是他的黨一生的盲點。雖然他年輕時曾經誓為「實現共產主義理想而奮鬥終生」,但他統治的國家今日唯一的理想是個個做土豪,然後移民美國。九十多年來,此中國式的「理想」,本來就是謬誤和虛妄,現在,你早沒有早年的理想了,不等於香港下一代也不可以有自己的理想。
香港特區十七年,就在中國式的混沌之中迷失了方向。

訒小平の香港返還路線では物質的豊かさは理解してゐたが普選や公民権といつた点の理解が足りず。