富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2014-05-30

農暦五月初二。晴。夏の暑い日に図書館、閑かな閲覧室に窓からひんやりとした風が、は昔の話で図書館は冷房の寒さばかり空調機器の音が耳障りな中大図書館で勉強。図書館に来る学生は必ず、一枚羽織るもの携えへてゐるのだから。一昨日、上環の文聯荘で見かけて気になつてゐた<瘞鶴銘>の、といつても瘞鶴銘本体の写本よりも曾𤋮、李瑞清、張大干の柔らかな、近代の瘞鶴銘、やはりこの書籍を購はうと決めて文聯荘へ。それならこちらも、と店員が瘞鶴銘(http://ja.wikipedia.org/wiki/エイ鶴銘)のきれいな写本勧めてくれたが原本にあまりピンとこない私。FCCのバーで瘞鶴銘眺めながら独酌。帰宅して晩に石川九楊『日本の文字』ちくま新書読む。副題に「無声の思考の封印を説く」とあるが、だうもアタシは九楊先生はよくわからない。ここ数日、なんだか書に藤四郎だが幾許か関心ありいろ/\眺めたりしてゐるが、手書きでやはりその人の品まで見事に出ていて気持ちよいのは数年前に直筆の原稿まで入手の入江相政(元侍従長)の筆致。眺めてゐても一向に自分の字は上手くならないのだが。入江侍従長の「遣」といふ字の「辶」が実に美しいと思ふ。かういふ字は練習して書けるものに非ず、まさに人柄、その人そのもの。
▼晋三が平成版「近代の超克」の勢ひに乗って新加坡のシャングリラホテル宣伝会議(別名:アジア安全保障会議)に出向き海洋権巡るフィリピン、越南の対中政策の正当性讃美。この南シナ海巡つていは中国の覇権主義明らかだが面と向かつて中国非難したところで、この会議に来てゐる中共の外交女将・傳瑩ら苛立たせるだけ。満州経営に参画で中国にも知己多かつた晋三の爺さんが生きていたら孫のこの対中政策をだう思ふかしら。