富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

DBもやっぱり香港の喧噪

fookpaktsuen2014-05-31

農暦五月初三。出先機関でパソコン作業等が鬱陶しいと思つたら遠近両々の眼鏡で作業していたからだ、と納得。やはりパソコン用の中近両用持ち歩かねば。夜明けから午前中まで陋宅書室であれこれ。Z嬢と昼前に中環埠頭からディスカバリーベイ(DB)へ。DB行くのは、それも中環とDB結ぶフェリーなんて何年ぶりかしら。何年前だか平洲に不動産物件見にでかけ平洲からDBに連絡船ありDBから東涌まで?バスに乗つたことあつたがフェリーなんて十年ぶり? 中環から二十数分で別世界のウエストコースト(笑)は数年ぶりに持参したライカM6の電池切れで水銀電池購つたDPE屋ですら最初から英語だ。まぁ住宅が増え住人も増え埠頭隣接のバスターミナルの巨大化。エンジン音もうるさく昔の本当に自動車フリーのDBが懐かしい。フェリーで戻つてもバスに乗つて帰宅ぢゃDBでも興醒めしないのかしら。バスが要らない近隣は今度は賑やかすぎるし。よくわからぬ。今日はDBにお住まいのM夫妻を尋ねて、のランチ。M夫妻には去年、待望の赤ちゃん、双子生まれ、今日は子ほめ。毎度のことで幼子あやすのが我ながら上手い。埠頭近くの「いかにもDB」なレストランで昼餉。Robert MondaviのTwin Oaksといふシャルドネの2012年、豪州はSidewoodのシラーズ2011年といふ「いかにもDBな」ワイン飲む。午後3時半の船で中環に戻る。レストランのレシートで復路の船賃無料。文聯荘に寄り上環まで酷暑のなか漫ろ歩き源興香料、西環の正隆行まで食材購入。太古のユニクロでパンツ裾上げお直し受け取り。最近、すっかりお仕事着はユニクロ生活な私。いゝんだらうか。晩に岩波の『世界』六月号読む。寺島実郎(能力のレッスン)江戸時代の「国交なき交易」としての日中関係、「唐心」捨てる契機になる実務貿易、日清戦争の意義。東郷和彦によるウクライナ問題の分析、西欧と中国の二つの文明の間でアイデンティティ模索する点でのロシアと日本の似た環境、戦後日本の「アメリカ化」から晋三の「新しい日本化」への動き、中ロ接近はクリミアの回復が「失われた歴史の回復」なら中国も尖閣でそれを使はないか、北方領土もクリミアのやうな住民投票は?と面白い。晋三の集団的自衛権の横暴に対して「国の借金がGDPの6%ある状態でどれだけ国防費に舞わせるのでしょうか。リアリティのある議論が必要。砂川事件判決とか限定容認論だけではなく国際情勢という大きな状況と、人を殺す、人が殺されるかもしれないというリアリズムを語るべき」「近未来の日本が若者層の人口減少により歴史上類を見ないクライシスを向かえるなか持続可能な安全保障を次世代にしっかり送り届けることのできる、新しい自民党が求められている」と野田聖子。神保太郎(メディア批評)朝日新聞の夕刊の一面トップの幼稚化と広告掲載に見る新聞の「変調」。竹富町の教科書採択、地方自治体の主体性認める基本法としての地方教育行政法と個別法としての教科書無償法で、どちらが優先されるか、は憲法14条(法の下の平等)にも抵触すること、竹富町は避けたが堂々と国地方係争処理委員会に審査申し出もありでは?と片山善博。先頃来日のチョムスキー教授、批判力のない国民養成の教育の力、金融資本の罪悪、広告業界の怖いほどの加担。台湾の「ひまわり学生運動」取材した本田善彦、日本同様少子高齢化の進む台湾で労働人口老化やイノベーションの弱体化で「これは香港でも感じたことだが、近年勃興が伝えられる中国と向き合った際、かつて台湾や香港が大陸に誇った資金力や技術力など多くの優位性が崩れ去り、しかも新たな牽引役となる技術や産業が生まれていない現状が喪失感と恐怖感を更に深めている」として「この焦燥や苛立ちは日本にとっても無縁でない」と。御意。

世界 2014年 06月号 [雑誌]

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