富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2014-04-21

農暦三月廿二日。朝は雨。雨歇んだあとジョギング。今晩も外食なので昼食抜く。午後遅くZ嬢と香港大学大学図書館“Deacons Archives”寄贈記念の展示あり(こちら)参観。Deaconsは香港で最も歴史古く最大規模の法律事務所(こちら)。そこの歴史的文書をば香港大学に寄贈。香港大学への融資や土地の貸借などKadoorie家やRuttonjee家、パルシーや猶太の家系の文書目立つのは香港らしさ。史料保存の仕事にかなり興味あり。Z嬢はこの図書館初めてなので日本語書籍、とくに日本文学のコレクションご案内。早晩に尖沙咀。梨泰園韓國餐廳に飰す。面子は昨晩の会食から所用ありの写真家K嬢除きで一緒。二晩続けての飲食も珍しい。満漢全席か。Pierre-Bise Crémant De Loire 2012年、Pomerolの2004年とGevrey-Chambertin 2009年←これを韓国料理で、といふのは凄い。店内のテレビがいつもなら韓国の娯楽番組など流してゐるのに今晩は始終、客船沈没の特番。心配さうに画面見入るご亭主。言葉もなし。四連休の終はりにペニンスラのバーで三鞭酒で祝杯。朝日の「こころ」再連載と口にすると皆さんご存知なく、あれこれ漱石の話となる。
朝日新聞の「プロメテウスの罠」で今のシリーズは「震災と皇室」。三一一のあと被災者見舞ふご意向の陛下ご夫妻、まずは東京都での避難者見舞ひ。震災を天罰と罵つた慎太郎が見舞ひ先(東京武道館)で両陛下迎へたが「石原は園遊会宮中晩餐会にほとんど顔を出さず、両陛下が都の施設を訪問する際も副知事が代わりに迎えることが少なくなかった」のだといふ。慎太郎にしてみれば戦後民主主義憲法を尊重する彼の人には面白くないところありか。その慎太郎をして、膝をつき手をとり一人/\丁寧に声をかけてゆく両陛下の姿勢にさすがの慎太郎も途中から少し距離をおいて見守るやうにしたさすで「後ろで聞いているだけでへとへとになった。あれを聞き続けるなんて、とてもじゃないけど僕はダメだ、まねできない」と言はしめた由。それほど両陛下の人格の凄さ。