富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

R100

fookpaktsuen2014-03-30

農歴二月晦日。雨空続く。昨日に続き書類整理。午後遅くかなり久々に陋宅のまわりジョギング。二更に尖沙咀。文化中心。映画祭の松本人志監督『R100』見る。松ちゃん作品、2007年の『大日本人』、2年後の『しんぼる』、そして見ていないが『さや侍』まで賛否あるが個人的には、ところどころ面白いシーンもあるが作品全体としては「あまり面白くない」と思ふ。でも「次はひょっとして」で見に行つてしまふから。「大日本人」では主人公の変身ヒーロー(松本)の日常生活インタビューが可笑しかつたが今回の『R100』では本編だけだつたら、かなり厳しいが、その作品の映画会社での試写会のシーンが面白い。だが、これは本編の弱さをカバーする禁じ手の楽屋オチ。その場面でこの作品を撮つたといふ大御所監督が出てくるのだが、これで鈴木清順監督へのオマージュなのかしら。それにしても「こんな作品」に大地真央寺島しのぶ片桐はいり、Youなどずらりと出演してゐるのも可笑しいが。この映画を見てゐる最中に記録に残るとんでもない豪雨だつた由。晩八時に陋宅出るときは「あ、本降りか」程度で地下鉄で尖沙咀に来て地下道から文化中心に入つたので雨に一切あたらず傘すら持参しなかつたが映画始まる頃には黒色暴雨警報発令。一時間に香港天文台尖沙咀)で56mmも降り、これは3月の雨量としては130年ぶり。かなり大粒の雹も降つたといふ。九龍、新界での雨量甚だしく屯門では一晩で200mm超える豪雨。九龍塘のショッピングセンターではガラス張りの屋根が雹で割れて一部が崩壊、施設内にも雨が降り洪水のやう。
▼日曜の新聞読書欄、読売と日経はダメは当然として朝日が最近、なんだかカタログ雑誌的。それに比べ毎日が面白い。今日も松原隆一郎高橋源一郎中島岳志の鼎談「若い思想家の本」は一読に値する。「現実はこうだから、こう振る舞うしかない」といふリアリズムが保守のはずなのに保守も非保守もリアリストでない現状、竹島尖閣など「密教的に」解決せざるを以て解決とみなしてきたのに石原的な顕教以外ダメとなり、核禍で毎日汚染水流出してゐるのにアンダーコントロールと言ひ切り原発再起動、同時にM9規模の地震前提に国土強靭化……政治権力者が「自分が責任をとる」ことの無理。旧植民地出身者の参政権は「与える」かどうか、で問題になつてゐるが実際には「返す」だろ、戦前は参政権があつたのだから、と。御意。
▼昨日の紐育時報台北の市民団体が反政府抗議の意見広告掲載。反サ貿協定の黒箱作業に加へ平和的市民抗議に対して官憲の高圧的な暴力的な対応への非難となる。ところで、台湾の立法院は英語だとなぜLegislative Yuenと「院」は中国語のまゝなのかしら。
▼英エコノミスト誌ではBriefingで“Japanese women and work”と特集されてゐる(こちら)。アタシの周りには香港なので男性以上に活躍する日本人女性たちが澤山ゐるが(実際、語らえる友人と呼べる方は女性のほうが多い、オトコはダメ)、こんなことが憂ひになるのだから何が日本が先進社会なのか、と思ふ。