富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

KANO

fookpaktsuen2014-03-28

農暦二月廿八日。曇。早晩にZ嬢と太古の岡田屋にある板長寿司に飰す。前回の板長で注文が電子端末で、となつてゐたが今回はさらにスマホと連携して板長アプリに板長の会員データなど入れておくと店舗の端末とリンクさせることで会員データが転送されポイントがつくといつた仕組み。たか/\握り寿司頬張るだけでたいそうな時代。階上の映画館で台湾映画『KANO』見る。監督は馬志翔で『賽紱克·巴萊』の魏徳聖(脚本)が戦前の日本統治時代の史料探すなかで嘉義農林高校の甲子園出場準優勝(昭和6)の記事見つけ2.5億台幣かけて制作の作品は185分の長編。嘉農の野球部に近藤といふ監督(永瀬正敏)就任してからの野球物語。試合のシーンもかなりあり。甲子園進出決めるまでの台湾での話が三分の二くらゐで野球音痴のアタシなど飽きるかな?と思つたが甲子園の話は準々決勝で嘉農と対戦して破れる錠者といふ札商の投手を置くことで、この青年が昭和19年にフィリピン出征の際に基隆に寄港し台湾を鉄道で下る途中に嘉義訪れる話とリンクさせることで脚本が上手。最近のCGで嘉義の当時の市街から甲子園の5万の観衆まで虚像が作られるが一寸食傷気味。時代が時代で学校と甲子園が舞台なのでストーリーの大部分は日本語、それに台湾語、選手同士の話す客家語アミ語が少し。当然のやうに国語(中国語)は物語に存在せず。魏徳聖は「媚日」といふ非難も否定するが、あまりの日台親睦の内容では香港でも「青春」以外にこの物語に入る余地なし。中共となれば尚更か(上映すら無理だらうが)。それにしても日章旗朝日新聞の社旗は本当に紛らわしい。