富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

高雄から台南へ

fookpaktsuen2014-03-22

農暦二月廿二日。朝八時のKA452便でZ嬢と一路、高雄。機内で華南の週刊新聞・南方周刊読む。これがまぁ面白いこと。“大麻”的誘惑(こちら)とかジョン=ダワー先生の近代日本論の紹介……と言ひつゝ中共のことは棚に上げての日本の右傾化批判(こちら)、台湾の侯孝賢監督の映画「戀戀風塵」で主役演じた少年・王晶文のその後の人生を語る「沉静的旅人」怀晶文(こちら)など、まぁ読み応へある記事ばかりで読み終はる頃には高雄に到着。曇り空。高雄の小港空港から捷運(地下鉄)で高雄車站。車内がなんて静かなのかしら。高雄車站は相変わらず駅舎の裏にある古い倉庫のやうな荷物一時預かり所に荷物預け站前から林森路、文横路を南へ、南へと漫ろ歩く。捷運の站でいへば美麗島、中央公園を過ぎて台北啤酒の台南支店のビルにある台湾専売公社経営のコンビニで台湾啤酒のパイナップル味啤酒飲む。この角を曲がると中興路といふ、中華民国で中興といへば厳めしい大通り想像するが東西に700mほどで両端とも行き止まりの狭い道で、この中興路にある法蘭斯といふ鞋舗にZ嬢が靴の誂へあり今回この高雄では用事はそれだけ。だが正午の開店の随分と前に辿り着いてしまひ(何処の市街でも道に迷ふといふことがない)少し早めの昼餉に、と近隣の土曜の晝前から客が込む惠美壽亭といふ日本料理屋あり刺身と煮魚の定食。イサキの煮魚のまぁ美味しいこと。鞋舗にてZ嬢が靴の型を選び足形計る間に店の三匹の猫と遊ぶ。高雄車站に捷運で戻り鈍行でも小一時間なのだが寛いで昼寝したくて14:00発の自強號で台南へ。晴れ。新幹線開通に合はせ在来線の西部幹線は特急なくなるのでは?といふ噂もあつたが車体は老朽化してゐるが健在。台南は2004年に鉄道乗り継ぎ台湾一周と2010年に關子嶺温泉に行く途中に一泊して以来の三度目。前回同様に站東のShangri-la Far East Plaza Hotelに投宿。37階の最上階の客室宛てがはれる。成功大学見下ろすが窓ガラスのまぁ汚れてゐることったら眺望も台無し。夕方になつて出街。日射し強くTシャツ1枚でも汗ばむほど。気温は摂氏25度。もはや夏のやう。站の東を南下して漫ろ歩き長榮路の誠品書店に辿りついたらワールドジムになつてをり「あれ?」と思つたら誠品書店はさらに数キロ先に南下してゐて断念。東門のロータリーまで戻り民権路にある太陽牌冰品で紅豆牛奶霜頬張る。市街のあちこちでゴミ収集の車が「乙女の祈り」流しながら走り回つてゐる。それに出くわすたびに、まるでテオ=アンゲロプロス監督の『旅芸人の記録』のやうな錯覚に陥る。バニラアイスも小豆も美味至極。中山路の合成帆布店。四年前にZ嬢購つた帆布鞄の直しをダメ元でお願ひしたら「勿論!」とすぐに直してくれる。近くまで来たので国立台湾文学館から中正路を入り、お決まりの度小月で擔仔麵を飰す。中正路で何だか騒がしいと思つたら台北ばかりか台南でも国民党政府の中共とのサービス貿易協議に反対する若者らが中正路の路上に座り込み抗議集会。小月度の筋向かひが国民党の台南本部ビル。そこの路上を占拠。警察も静観でまぁ平和裡。丁度、夕食の時間で飲み物やパンなど次々と配られゴミ集め係までゐて立派。忠義路から民権路、中山路と漫歩で台南車站。台北に往く列車の切符は昼に站東側の「後站」購入済みだが「前站」に用事は站のスタンプ手帖に押すため。大人だとこれがちと恥ずかしいが台湾の鉄道スタンプは趣向が良いので好事家向け。返宿。四時間半ほど歩いたことになる。ゆつくりと風呂に浸かり佐藤優『獄中記』(岩波書店)少し読む。
▼晋三が昨日のフジテレビ「笑っていいとも」に出演の由。アベノミクス減速、外交下手に続き第三幕となる消費税増税前に国民の機嫌とりで、その晋三が視聴者を「国民」とまで宣つたタモリの番組に出演とは出るほうにも晋三の機嫌とるテレビマスコミに呆れて言葉もなし。「バラエティは認められていない」「芸人でも分野によって評価が違う」とぼやくタモリこそ(さだまさし小田和正より)「ネクラ」なのだ、と思ふ。