富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

ますそへえういち

fookpaktsuen2014-02-09

農暦正月初十。雨。ふとZ嬢と路線バス102系統で深水埗へ往く。北河街の坤記に粥を啜る。寒い日は滾る粥が嬉しい。 石薢尾公共団地のうち美荷樓の再開発で青年旅舍(ユースホステル)となり、そこに1950年代の「徙置区」所謂「難民アパート」から70年代の公共団地に至る住宅の当時の歴史展示あり。見学。それほど期待しなかつたが住宅単位の原型そのまヽで串刺しのやうに住宅の真ん中に通路を作り、両側に当時の家具や生活用品を置いての展示は見事。夕方、ジムのトレッドミル5km走る。晩にこの冬何度目かしら、で大根おろしと韮の鍋で豚のしゃぶ/\。見なくても結果わかる都知事選の選挙開票速報つけると同時に舛添当確。ゲージツ家篠原勝之氏が「ツマラナイ選択をしたもんだが、六十何パーセントの棄権者は死体と同じだ。大雪の下に死骸累累」と。御意。驚くのは細川出馬により宇都宮が集めるべき反原発票が割れ結果的に(意図的に?)舛添に利ありとなつた、といふ細川悪人説。神保・宮台は前回の都知事選で100万票とれなかつた宇都宮が今回は反自民候補絞り込むまでもなく早々に立候補表明してしまつたフライング!にそも/\躓きあり、と指摘してゐたが、今回の宇都宮の得票数は前回とほぼ同じ98万票で、これが世相に動じない左翼票。肥後守参戦は宇都宮より票集めるか、と思つてゐたが95.6万票と宇都宮下回つたのは、やはり小泉との二枚看板も「脱原発というのはわかるが都政のどこに興味があるのか今一つわからない」(田原総一朗)からだらう。「たら、れば」だが宇都宮、細川の票合わせれば194万票で舛添との差は174千票余り。河合弁護士曰く、今回の宇都宮・細川の統合能はず、は保守の側から脱原発主張する人が出てきた歴史的転換点をきちんととらえられぬ大局観の無さ、と。御意。それにしても怖いのはタモガミ閣下の61万票で若年層の支持率の高さ。金澤H君が、もし「舛添先行、田母神が猛追。宇都宮は支持層固める」といふような情勢だつたら舛添に投票するだらう、と、これはフランスのルペン旋風の際の「鼻をつまんでもシラク」。それにしても「自民党が野党になる日」(カッパブックス)の若き気鋭の政治学者、が自民党の後押しで都知事だとは……。
▼偽ベートーベン醜聞。テレビのバラエティ番組の取材に「あなたは偽造がありますか?」と尋ねられた作曲家が皆「ありません」と不愉快に回答するなかでキダタロー先生が

人に書いてもらうなら作曲家やめたほうがまし!今まで困ったときもいろいろあったけど、そんな時でも人に頼んだりせんでバレないようにこっそりパクってピンチを乗り越えたんや。

と。ご名答。この醜聞につき中山千夏さんのコメント(都新聞)が鋭い。

全盲の」音楽家にかんどうする心の裏には、そんな人間に大したことはできないという無意識の差別感がある。そしてギョーカイには障害でもなんでも儲けのタネに利用する風潮がある。一作家の代作がバレた。代作事件にしてはえらい騒ぎだ。大手マスコミが軒並み謝っている。これまで代作に気づかず持て囃したことを反省する、と。ではあるまい。「全聾の」レッテルで我々の差別感を助長し営業に資したことをこそ、この際深く反省してみてほしいものだ。