富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2013-12-06

農暦十一月四日。上海のI君からPM2.5値が午後三時で481だと報せあり。埃っぽいとか、さういふレベルでなく大気が「臭い」と。早晩に散髪済ませ佐敦。徳信街の美味小食店で腸粉立ち喰ひ。バーWでビール一飲。尖東の一平安でZ嬢と待合せ長崎ちゃんぽん。理工大のキャンパスにあるJockey Club Auditoriumなるコンサートホール。見た目豪華なのが寧ろチープ。何だか浅草の往年のオペラ座か昭和の景気よき炭坑町の娯楽ホールのやう。KJ君(黄家正)のピアノで初リサイタル。
Ⅰ 啟航(Departure) シューベルト:4つの即興曲D899から第1曲ハ短調 と スクリャービンソナタ第3番「心理状態」嬰ヘ短調作品23
Ⅱ 迷失(Lost) シューベルト:上述の即興曲から第2曲変ホ長調 と スクリャービンソナタ第5番 (ロ長調変ホ長調)作品53
Ⅲ 重聚(Reunification) シューマン幻想曲ハ長調作品17
と、この構成はKJ君の個性や方針が色濃く反映されかなり興味深い。だが如何せんホールの音響が悪い上にスタンヱイのピアノの音も固く、それに加へKJ君のピアノには音に丸みがないのでスクリャービンはまぁそれでどうにか狂想的に出来るがシューベルトは残念。KJ君、非才で子どものころから抜きん出た才能見せるが独立独歩、本来はもつといろ/\な指導者に習ぶべきで、ふと彼に一番必要なのは例へばMaria João Piresのやうな音色とか、あるとか故・井上直幸先生などが指導してゐたらさぞや面白かつただらう、と思ふ。最後のシューマンが今夜の中では一番良かつたが、それでも彼の才覚からするともつと期待したいところあり。
▼都新聞が参院特別委で強行採決の昨日、それに合はせるか、のやうに外務省から秘密扱ひのアフガニスタン在住邦人名簿が防衛省に流出、と一面トップ。都新聞はもはや日本のThe Gurdian紙か。その都新聞で田原牧記者曰く
現政権は「保守」を掲げるが、実際は正反対の革新政権だ。その心性の底には、異議申し立てや民主主義を説教する人種(彼らのいうサヨク)に対する憎悪があふれているようだ。幼いが強烈な自尊心が透ける。無論そんなものに付き合う義理はない。私たちの流儀を温めつつ、反撃の相談をしよう。こんな発言を新聞記者がしただけでテロリストか……もはや。噓のやうだが
○委員長 石井浩郎君(発言する者多し)
石井浩郎君 ……(発言する者多く、議場騒然、聴取不能
 委員長 ……(発言する者多く、議場騒然、聴取不能
(委員長退席)
って、これが五日の参院特別委での強行採決になる瞬間の「議事録」の由(未定稿)。こんな野蛮で、よく朝鮮人支那人を罵倒できるもの。ほとんどお猿さん以下。さきの大戦での敗北から日本が戦後、平和と民主主義の国家標榜しての結果がこれ、か。平和憲法頂くのも勿体ない。むしろ、この国民、政治家に見合ふ低級レベルに改憲した方がいゝの鴨。昨夕の日経さんの一面なんてこれだもの。この機に及んでノーテンキに「原発ゼロからの転換」喜び秘密法案も多少は疑問呈してはみたが結果的には傍観。このレベルで日本代表する経済紙だとはチャンチャラ可笑しい。ちなみに昨日の信報、日本の政経に言及した林行止專欄「結構改革已啟動 圓跌股升勢未改」一読に値す(こちら)。経済紙の社論たるもの、かうあるべき。