富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

大日本史と公文書館法

fookpaktsuen2013-12-05

農暦十一月三日。郷里の母から数日前の日剩で「愛の讃歌」が「愛の参加」になつてゐる、と誤字指摘あり。iPadからさら、っとメッセージが来るのだから。ご愛読深謝である。これだけ香港離れてゐると仕事もたまり官邸で12時間の机仕事。帰宅して新聞読むどころか音楽聴くのも厭ふほど。
▼十八代目勘三郎一周忌。
参院特別委で特定秘密保護法強行採決。こんな法案に賛成できる連中をば議員に選んだのは国民。あとは天罰をば待つのみ哉。明治に近代国家ならんと欲し東都の震災、広島と長崎の原爆、敗戦、戦後の再出発、311の津波と核禍……天災だけならまだしも政治的試練も越へて、のはずが、この態では神佛も見捨てるものなり。なぜこゝまで愚かなのか、と言葉もなし。水戸の畏友J君曰く

特定秘密保護法案が大詰め。歴史を学ぶ者のささやき。水戸人は光圀公の大日本史編纂にかけ資料を全国に求め保存し編纂した思いを何とこころえるのであろうか。その想いを引き継いで公文書館法を成立させたのは、県知事であった岩上二郎参議院議員(当時)である。官僚の抵抗に立ち向かい当時としては珍しい議員立法で成立させる執念をもった人“ミスター公文書館法”岩上の想いを、いまどれほどの茨城人が知るのであろうか。公文書類は必ず残すべし、そして年限遠からずして公開すべし。秘密保護は必要な部分はあろう、それを闇に抹殺すること勿れ。4半世紀以上たっても歴史の評価を受けない、そんな覚悟のない政治は不要。

と。卓見。蓮池透さんは

知りたいことがたくさんあります。2002年9月の小泉純一郎首相の電撃訪朝はどう実現したのか。被害者8人の「死亡」を北朝鮮の言うがままに受け入れてまで、なぜ日朝平壌宣言への署名を急いだのか。家族として知る権利があるし、隣国との歴史の一幕を正確に記録する意味でも説明が必要だと思います。(略)日本社会そのものにも重大な影響をもたらすと思います。拉致問題の発覚は、結果的に「北朝鮮たたき」の世論形成にもつながりました。今はマスコミですら、北朝鮮との交渉や対話を主張しにくい状況になっている。異論を言いにくい「萎縮社会」の芽はすでにあるのです。(略)拉致問題に取り組むには、人権問題に加え、国際情勢や日本と朝鮮半島の歴史を幅広く理解し、意見を出し合うことが重要だと考えるようになりました。法案は逆に、社会を一つの意見に誘導する危険をはらんでいると思います。特定秘密保護法は、こうした情報を永遠に封印してしまうかもしれない。強い危惧を覚えます。一番心配するのは報道の萎縮です。政府から情報が得られない中で、新聞やテレビの報道は、家族にとって時に希望をつなぐ唯一無二の情報だったからです。

「自分の意見を自由に言えない国は元気がなくなる。」「この国をいったいどんな国にしたいのですか、と安倍さんに本気でうかがいたい。重苦しい、暗い国、政府の言うことをよく聞いて文句をいわずに一生懸命働くおとなしい国民。まさかそんな国をイメージしているのではないでしょうね。」「年間自殺者が3万人の自殺大国。日本人が、とくに若者たちが希望にあふれて明るい表情になるために、何をすればいいのか、ということこそ、血道を上げてほしいと今の政府に言いたいのだが」と山田洋次監督。「日本人が、何をすればいいのか」の答へは近代市民革命。だが何度もそのチャンスを逃して百年余。おそらく今後もダメ、の未開社会か。