富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2013-09-27

農暦八月廿三日。朝から打合せ、午後も会合と続くが、そのなかで一寸したことだが日本人たちが、政府であるとか<権力>による神の見えざる手が働いてゐるならマダしも市民と呼ぶには烏滸がましい民草が勝手に詰らない配慮で国家主義的な動きに余計な加担してゐる現場に遭遇して「なるほど昭和の戦争もかうして始まつたのね」と思はされる出来事あり。所詮、なーんにも考えてゐない、否、考へてゐるのだが、それが浅慮の全く必要もない「配慮」だから困つたもの。早晩に散髪済ませZ嬢と銅鑼湾で買ひ物。散髪しながら「銅鑼湾で、アテもなく何が食べたいわけでもなく周末に並ぶこともなく……の食事って何かしら?」と呟いたら理容師I氏に「そりゃ印度料理でしょ」と言はれ、確かに、とペニントン街のShalimarに往くとビル(登龍大厦)の入り口から長蛇の列。「急に印度料理がブレイクかっ!」と焦つたが、さに非ず。同じビルの同じフロアの隣のテナント(昔、日本料理の「葵」あつたところ)に「珈琲弄」なる台湾系のカフェ出来て大評判。甘ったるいデザートを若い男女が頬張るのに一時間以上並ぶとは。中を覗くとオープンキッチンで従業員が調理も運び手もカジュアル=普段着で「素人くささ」が売りか。晩はいつも閑かなシャリマールだが隣店の爆満で「流れ」の客もゐるやうで繁盛。
銅鑼湾ですつかり斜陽モードの娯楽施設・南華會にある「天台酒廊」は香港の所謂スポーツバーの先駆で経営者も南華會のサッカーチームOBで南華會とは蜜月かと思つたが賃貸の契約更改で南華會から家賃大幅値上げ提示され閉業(こちら)。それとは別に銅鑼湾の、こちらもオープンテラスあるだけで特筆のパブInn Side Out(かつてのKing's Arm→East End)も銅鑼湾の高級ブランド化でバーなど潰してブランドブティック化で追ひ出し、と聞いてゐたが後者の入居する新寧大厦ぢたい取壊しで再開発の由。しかもこの、オフィスビルに高級アパートメント、しかもその間に大胆に路面にテラスを設けパブがある、なんて素敵な空間の設計が何と貝聿銘(I.W.Pei)だつたとは……今日の蘋果日報で知る(こちら)。築三十年余で取壊し。で、追ひ出されるInn Side Outが南華會に移転、と記事にあり。さもありなむ。Inn Side Outが銅鑼湾でオープンスペースある物件探しで南華會に目をつけたが嚆矢、で鄙びた「天台酒廊」にでれ/\と営業続けさせるよか人気のパブ入居で起死回生狙つたのか、と独り合点。
新潟県知事が東京電力柏崎刈羽原発6、7号機の安全審査申請条件付きで承認。あら何があつたのかしら。