富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

小泉三世に共鳴す

fookpaktsuen2013-08-27

陰暦七月廿一日。雲一つなき快晴。夕焼け惚れ/\するほど見事。晩にカレーライス。カレーライスにジャックダニエルソーダ割が好き。
▼「米国での骨董販売詐欺でインタポール指名犯」さへなければノーベル経済学賞も夢ではなかつた中国に潜伏中の張五常教授。信報連載で今日の「貨幣用途與欺騙行為」(こちら)が面白い。銀行券について、1935年生まれの張教授が6歳の時に香港陥落で母に連れられ広西に非難。七歳のとき広西の小鎮にある鬧市で見た光景は十元紙幣を市井の民が勝手に半分に切つて五元紙幣として使用、流通してゐた、と。銀行に当然、この五元紙幣2枚持参しても十元に兌換できぬのだが国民党政権の末期、混乱で市井は勝手な紙幣経済、銀行券への信頼も低くインフレもあり鶏卵が紙幣代はりに流通もあり、と。この幼いときの不思議な経験が、自分が経済学に興味をもつた一つの原因だつた、と張教授。
▼香港、星加坡と温哥華(ヴァンクーバー)の警察官数、犯罪率等の比較が信報の記事にあり。香港の犯罪検挙率の高さ、日本の低さは聞いてゐたが警察官数は日本は人口千人あたり2.0人で三都市に比べ少なく「日本は安全」ならいゝが、そんなの誤解で強盗(行劫)の発生率は千人あたり日本は0.23件で(カナダよりかなり安全だが)香港と星加坡の倍以上。となると香港と星加坡より安全じゃないのに警察官数少ない訳で、つまり安全ぢゃない。だから警察が増えればいゝとはいろ/\な意味で思はないが。

畏友村上湛君が網上で紹介してゐた、この毎日新聞の<風知草>小泉純一郎の「原発ゼロ」(山田孝男)が興味深い(こちら)。

脱原発、行って納得、見て確信−−。今月中旬、脱原発のドイツと原発推進フィンランドを視察した小泉純一郎元首相(71)の感想はそれに尽きる。三菱重工業東芝日立製作所原発担当幹部とゼネコン幹部、計5人が同行した。道中、ある社の幹部が小泉にささやいた。「あなたは影響力がある。考えを変えて我々の味方になってくれませんか」
小泉が答えた。「オレの今までの人生経験から言うとね、重要な問題ってのは、10人いて3人が賛成すれば、2人は反対で、後の5人は『どっちでもいい』というようなケースが多いんだよ」「いま、オレが現役に戻って、態度未定の国会議員を説得するとしてね、『原発は必要』という線でまとめる自信はない。今回いろいろ見て、『原発ゼロ』という方向なら説得できると思ったな。ますますその自信が深まったよ」

と小泉三世の言。この「重要な問題ってのは10人いて3人が賛成すれば2人は反対で、後の5人は『どっちでもいい』というようなケースが多い」といふのは正にご明察。世の中こんなのばつかり。小泉三世も立派なら最近の福田二世の中韓との友好、アジアの平和と安定への動きもご立派。自民党最後の抑止力か。