富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

農暦六月廿五日。雨模様。晩に山頂のL氏邸にZ嬢と招かれる。お雇ひ料理人による正餐いたゞく。L氏夫妻含め八人の会食だつたが会食での会話なか/\六ツかしい。誰かの発言に明らかな誤謬などあつた場合に、だう対応するか、も含めてのことなのだが。ダイニングルームでの食事終はり広い客間のソファで珈琲とリキュール。こゝで葉巻にならないのだけが昔との違ひ。
▼十三歳で関東大震災体験した喜多村たかさん(103歳)は大正12年のこの日、女学校から帰る途中に芝公園付近で被災、皇居の外堀で一夜明かす。朝鮮人が井戸に毒を入れたといふ話聞いたのは翌二日の夜、青山の友人宅でのこと。たかさんの兄は埼玉にあつた母の実家から帰る途中で何度も自警団に捕まり、日本人なら、と君が代を歌はされた、といふ。「歌えない人は川に落とされた。『アイゴー、アイゴー』と手を合わせる人が叩かれ可哀想だった」と亡き兄がたかさんに語つたといふ。
▼麻生発言、海外での非難伝はると日本のマスコミも大騒ぎ。いつものこと。海外で文句いはれるまでは何事にも鈍感。で附和雷同の如き反応。麻生発言よりマスコミの、この姿勢が怖い。麻生太郎ナチスを引き合ひに出したことよりも、問問題は「ドサクサ紛れに改憲してしまったほうが手っ取り早くて良い」との本音の方では?と久が原のT君。御意。半藤一利が「ワイマール憲法は『ある日気付いたら変わっていた』というものではない。小党乱立の政争に国民があきあきしていたところにナチスが登場。『一度やらせてみよう』と権力を持たせたところ、暴走して手が付けられなくなってしまったのが真相だ」と説き、改憲派小林節教授(慶大)も「ナチスは政治に暴力を用い立憲主義を否定した。それに学べと言うのは論外だ。麻生氏は現職の副総理で首相経験者。内外に恥ずかしい発言で安倍首相の責任で辞職させるべきだ」と厳しい。今回の麻生発言は今の自民党国家社会主義ぶり暴露した感あり。