富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

安倍日本學

fookpaktsuen2013-07-25

農暦六月十八日。連日の大雨。UA映画館の誕生日招待チケットあつたことに気づき晩遅く太古の映画館で『飛虎出征』見る。プロデューサーが彭浩翔で杜汶澤が主演は評判となつた『低俗喜劇』の流れ。香港警察の特殊部隊である飛虎隊 Flying Tigersを扱つた作品だが喜劇。飛虎隊のいはゞ二軍の四人組が不貞腐れ「澳門の風俗按摩でも行こう」といふことになつたが特殊部隊ゆゑ香港離れる場合に上官の許可が要り、これを隠密特殊作戦任務<淫戦>と叫びコトもあらうに新界から裏社会の仕切る不法ルートのボートで澳門へ。無事、澳門入りしたものゝ風俗按摩店で司法警察の手入れに遭遇して、そこから始まるドタバタ。警察に留置され脱獄、香港と広東省の当局も絡む凶悪犯グループと間違はれ、仲間の一人が実はゲイと判明して女性相手では無理と外観はタイ料理屋の(笑)そのテの風俗に連れて行き、どうにか香港に戻る不法ボートに乗れることになつたが更に難題が……と期待よりよく練られたストーリー。晩十一時半すぎに映画終はつても余裕で公共交通機関で帰れるから已に夏休みで平日の晩も若者多し。
▼都立の田無工高が今月末に自衛隊駐屯地で宿泊防災訓練実施明らかに。都教委が計画で当初この詳細公表せず。そも/\慎太郎の発案で、実施公表での非難避けたかつたのか。いずれにせよ都教委の阿Qぶりに呆れるばかり。
東海村の村上村長引退。「齢七十の爺の決断にどうかご寛恕を」と表現豊か、陶淵明の「帰去来辞」引用し「まさに『帰りなんいざ田園まさに荒れんとす』という心境だ」と漢籍の学もあり。311の核禍のあとに「この国は原発を持つ資格はない」「原発あって国民なし」と発言される。

参院選を見ると表層雪崩のようにどんどん悪い方に行っている気がする。大震災や原発事故を経験して経済や発展を優先する日本人の価値観が変わり、もっと地に足がついた社会を目指していくのかと思っていたが、そうなっていない。しかし原発問題については完全に変わった。参院選では争点にならなかったが過半数の国民が原発廃止を求めているはずだ。(略)原発問題は日本の構造的な問題。これを解決しないと民主化も新しい産業の発生もない。原子力産業は強大な権力集団で民主主義に反するものだ。福島であれほどの事故を起こしながらも、そういう権力集団があるために方向転換できない。最後は自滅に向かっていくと心配している。日本の将来を考えて、言うべきことは言わなくてはならないと危機感を持っている。今後は憲法問題についても発言していきたい。

と昨日の記者会見で。村上達也村長(1943〜)この村の出身で原子の火が灯つたときは水戸一高の学生。一橋大学社会学部卒で地元の常陽銀行に勤務し54歳で村長就任。1999年の臨界事故で国や県の対応待たず独断で村民の避難実施。この反原発派の村長が後任に、と推挙した副村長は原発推進の地元商工会が支持で反対派からの対抗馬立候補も見込まれず無投票という推測も(と東京新聞)。これでまた原子の火が灯れば村上村長の言葉通り日本といふ国は構造的問題抱へたまゝ民主化もされぬムラ社会で自滅に向かふのかしら。
▼紐育時報の“Restraining nationalism in Japan” by Jennifer Lind (こちら)を読む。晋三のナショナリズムがどれだけシビアに海外から見られてゐるかの証左。
Within Japan’s democracy there is a growing commitment to greater truth-telling about Japan’s wartime past and an intolerance of leaders who deny or speak insensitively about it. It also has important lessons for Japan’s neighbors, who in their condemnation of the mayor missed the prodigious anger of Japanese citizens ― which should reassure them as Mr. Abe guides Japan toward a more activist foreign policy. In East Asia today, historical resentment is inextricable from territorial disputes, like the one between Japan and China over islands in the East China Sea.
また信報では洪清田教授の「安倍經濟學 安倍日本學+亞洲學」(こちら)が興味深い。

西方現代化是已存在於古希臘的「個體」從中世紀的政教合一中解放出來,發揮觀察、學習和工作積極性和能力、生產力、創造力、消費力,全新建立知識、經濟、軍旅、民族國家和(公民)社會,以至人生意義、美學和組織性紀律秩序,犧牲精神和耐力。東方沒有「個體」(中國只有「個人」、沒「個體」,日本沒「個人」也沒「個體」),現代化先要建立「個體」,但東方社會多數在沒有「個體」的條件下新舊文化基因權宜混合,以集體主義建立知識、經濟、軍旅、民族國家和專制社會。
百多年前日本面對西方列強的文化入侵,走對了(一半)路,率先改變千年傳統自我的「體」(政經及社會體制)與「用」(日常器用性知識與工具),以「體」與「用」的主動改造成功保住千年傳統的「魂」(文化身份認同與價值觀、世界觀和存在意識、生活方式與美學),第一個「脫亞入歐」。
當時日本比其他亞洲文化務實、理智和清醒,忍痛割捨千年傳統,換回「類現代」,「大政奉還」將西方現代的「體」和「用」接駁到「沒個人、沒個體、只有集體」的傳統「和魂」,即所謂「洋體和魂」。

と『菊と刀』からよく指摘されることだが日本人論を述べ(中国は「個人」はあるが「個体」がない、といふ指摘が興味深い)それに加へ

「安倍經濟學」並不只是經濟學,而是「安倍日本學」,政治經濟文化社會歷史宗教混沌一體共同生命不可分,操作上可分為各種性及質實體、系統化互相牽引,代表日本在二三十年的迷失後,安倍明確為日本六十年來第二次國族定位與定向。
他二次執政,深思熟慮、痛定思痛,學小泉純一郎的極右保守主義,鐵定心要把自民黨和日本扭向「返祖」的歷史方向,認為那是拯救╱復興╱創生日本的必由之路。
安倍回歸歷史與傳統的方向和方針堅定明確,也是日本唯一的領導力量,但目前不能說日本軍國主義或民族主義已經復活和「定性」。現在投票率低,自民黨和公明黨控制兩院剛過半,修憲的民意調查反對遠多於支持,難說是否重上「返祖」的歷史軌道上,也不知會走多遠,過程和結局會怎樣。

と、これも晋三の戦後レジームからの脱却がさうは簡単に問屋は卸さぬ点を指摘。さうありたいものだが。