農暦五月廿八日。酷暑。日傘必携。
▼華懋集団の龔如心（小甜甜）逝去後に「アジア一富豪の女性」といはれた彼女から遺産相続の遺言あり！と名乗り出た謎の風水師、
すでにこの遺産の相続権は遺族の儲けた基金と裁判で確定してゐたが刑事で遺言の公文書偽造とその行使で懲役12年の判決。即刻収監。元々は風水師のはずが寡婦たる小甜甜（キャンディキャンディ）の按摩師、そして実は愛人……と秘事暴露。風水＆按摩のころに実際にHK$30億もの賄ひ貰つてゐたが（これぢたい申告しておらず脱税）830億ドルといはれる小甜甜呑もうと欲が出た結果がこれ。もう15年近く前になるがアタシもジョギング始めたころBowen Rdの深みに楠樺居といふひっそりと佇む豪邸あり、ふつうなら富豪の邸など新聞で見慣れてゐるが此処はいつたい誰の所有？が実はこの陳振聰。小甜甜から貢がせ、これで一生の豪遊に十分だらうに。判決では元々、小甜甜の財産に目をつけ接近とまで指摘されるが27年前だかに医師と偽りクレジットカード申請の偽証前科もあり（笑）。それにしても龔如心（小甜甜）自身が夫の王徳輝が二度も誘拐され二度目はついに行方不明で司法上の死亡認定で夫の財産をば得て、これを不服とした王徳輝の老実父（王廷歆）が息子の遺言状は不当で偽造の疑ひありと小甜甜訴へ結果、小甜甜への遺産認められたが、その半年後に小甜甜は卵巣癌で他界。億の財産あつても人生なか／＼思ふやうにならず。で陳振聰は小甜甜に王徳輝は必ず生きてゐる、安全祈願がための呪ひまで施したさうで（かりに小甜甜が夫の死を知つてゐたとしたら……これは怖い話だが）この風水師の御節に心の安らぎをば感じたであらうし、自分の何らかの咎を癒してくれるとしたら30億ドルもけして高い賄ひではなかつたのかしら。だが陳振聰の狙ひは更に欲深いもので、だが謎の風水師とて小甜甜があんな急逝をしようとは思ひもせず、で勇んだ結果がこれ。30億で十分とするか、小甜甜遺族が故人の恥は禁忌と一時は遺産を７：３で３割贈与で示談といふやうな話もあつたといふ。陳振聰には上訴の機会もあるが已に財産の多くを裁判費用に当てており今回もHK$２mの裁判費用負担命じられ高級弁護士団組織してまでの上訴も難しいところ。（以下、今日のどの新聞にあつた説教か失念したが）風水師なのに今年に入り耶蘇教に改心は最後に神の救ひ求めたといふが龔如心が舅父王廷歆と法廷で争つた際に裁判官は聖書から「世人行動實係幻影。他們忙亂，真是枉然。積聚財富，不知將來有誰收取？（人の世にあるは影にことならず、その思ひなやむことはむなしからざるなし、その積蓄ふるものはたが手にをさまるをしらず）」（詩編39の６）引用したさうで耶蘇教に帰依の陳振聰は当時聞いたであらう聖書のこの言を今だう感じるか、さらに同じく詩編51の６「神所喜愛的，是內裏誠實……（なんぢ真実をこゝろの衷にまでのぞみ、わが隠れたるところに智慧をしらしめ給はん）」をしっかりと肝に銘じるべき、と。御意。
▼東大東洋文化研究所の安富歩教授が福島原発事故を忘れつゝある人々の心理について「深刻な危機にある夫婦のやう」として（今日の都新聞「こち特」）
浮気などが発覚し本来なら結婚生活を続けるのが困難な事態があっても金銭的な不安や世間体など外部の圧力で離婚できない。真面目に考えると日常が足元から崩れてしまうので最初から問題など存在しなかったことにした。だが配偶者への怒りや不満はぬぐえない。そのイライラから近所に八つ当たりしたり、やけっぱちで無駄遣いをするようになる。近隣諸国との領土問題や大金をぢゃぶ／＼投入して株価の動きに一喜一憂する状態はそれに近い。
と喩へ。ご尤も。
▼30年前に中共北京中央から香港回帰後の香港経営担ふであらう精鋭として招かれた政経、司法の若手たちが同窓会。政界の李鵬飛（当時42歳）、李柱銘（民主党元魁）、李國能（前終審法院首席法官）、梁淑怡（自由党主席）、阮中鎏（当時、香港医学会会長）、李丁金（Far Eastern Ecoonmic Review……懐かし）、郭志權と弟の郭志匡（永安集団）らが赴京、当時の中央書記處書記の習仲勛（習近平の父）が接見。30年後の今晩の同窓会は一番若い李國能も65歳、当時の一行12名のうち二人他界、二人は移民で香港政界元老の鍾士元爵士（95歳）招く由。李鵬飛が当時を回顧して「三十年前想也想不到香港會是這樣的！」と。李柱銘も「那些年並沒想到三十年後的今天，香港由共產黨員執政、西環治港、立法會終極普選原來還有功能組別、以至共產黨想剷除香港所有核心價值」と嘆く。1983年に全く考へられなかつた何よりの誤算は天安門事件とその制圧。
▼日経夕刊に「日本株の上昇、香港公的年金に恩恵 １〜６月利回り19％強で最高に」とあり「ちょっと待った！」と思つたが「もっとも過去10年の利回りをみると「日本株」は13.23％。「香港株」の86.73％や「日本株を除くアジア株」の41.47％などに比べ、大きく見劣りする」とあり。
