富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

禮的難題

fookpaktsuen2013-06-29

農暦五月廿二日。快晴。昨晩は酒も飲まず、歯科医で処方されたメフェナム酸(非ステロイド性抗炎症薬)のお薬の所為ですつかり熟睡。
朝九時に湾仔のImmigration Deptへ。知己K家の香港居住査証延長多少面倒になり担当官への説明と延長に書類準備のお手伝ひ。我ながら交渉上手。紅磡から東鐵で羅湖。一等の車内で座席に正座する女性あり。日本では珍しくもないが香港&大陸では初見。昼すぎに深圳。酷暑。仕事からみで夜まで。大陸の日式日本料理もそれなりにレベル上がつてゐると思ふが通りがかりの食肆で「本日特価冷奴15元」に驚く。特価は例えばトロとか鮑とか、いつもなら一寸手が出ないが特価なら「ちょっと食べてみようか」なわけで冷奴ではないだらう、しかも地元豆腐なら15元はそれでも高すぎ。「兵库县」西宮「大关」酒造の辛丹波飲む。簡体字で書かれると、だうも味が違ふやうに思へて。晩十時すぎ香港に戻る。
▼日本の新聞を見てゐると、例へば早大で周辺の飲み屋が学生にはアルコールの飲み物提供は一人500mlまで、とか同志社では校内に初めて警察に交番誘致、とか東京都教委は卒業式や入学式の国旗掲揚、国歌斉唱について「一部の自治体で公務員への強制の動きがある」と記述した日本史教科書(実教出版)について「使用は適切でない」と通知、朝日の「声」欄に国旗国歌や原発、護憲で発言した読者の住所や電話番号など個人情報が何者かによりネットで公開、とかJR東日本ではICカード利用可の飲料自販機で購入者が何を飲んでゐるか、のデータをば販促に利用しオマケに自販機にはカメラ内蔵で客の性別や年齢まで分析……とか、世の中明らかにキチガヒな方向に猛走してゐるのだが、そんな世の中に民草ももはや慣れてゐて拒否反応もない。南無阿弥。
蘋果日報の蘋論で李怡先生「沉默的好人也會變成邪惡的同盟」(こちら)。七月朔日の市民デモについて。
不要強調在強權下我們的無力感,哈維爾的拒絕謊言運動導致捷共倒台,龐然大物的蘇聯也在人民抗議聲中塌掉了。我們十年前創下推倒23條立法的奇蹟,誰說歷史不會重演?只要你不再冷漠。後天,七月一日,你知道自己應該做甚麼。
▼六月廿六日の香港演藝學院卒業典禮に校監の身份で測量梁臨席。普段、政治的色彩薄い印象の演藝學院で卒業生が一人一人測量梁に無禮限り尽くし抗議(こちら)。盲目的服従より抗議は尊いが余りに幼稚なる反抗に見えなくもなし。これを受ける測量梁の笑みにゆとりすらあり。これについて陳雲先生曰く

禮的難題,正可考驗各位的儒家文化。畢業典禮代表的是學校的榮譽,學生接受的是學校頒發的學位,而梁振英是以校監的身份頒發學位的。故此,學生上台用手勢抗議,是不合禮的: 你一旦步上禮台,就是承認了典禮的合法性,上來禮台再抗議,是自相矛盾,也令梁振英可以用微笑來反擊,令自己尷尬。
合禮的抗議方法,是抗議梁振英竊據了校監的位置(不絀者而居上位),學生決意不上台接受他頒發學位,大家坐定在台下,然後由司儀出於無奈,宣布禮成。當然,這種合禮的、更具威力的抗爭方法,今日的學生不會知道的。這種不上台的抗爭方法,也沒有photo opportunity,違反香港左翼社運的常規模式。故此,香港出現這種學生上台倒立拇指抗爭的場面,是禮崩樂壞。我不是說,學生違反禮教,而是說,學生無法知道合乎禮教的抗爭方式。無人教你,你自然不會懂得。

まさに同感。この式典での悪態については梁文道君が蘋果の連載随筆で「舞台」(こちら)も必読。