富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

憲法を、国民の手に取り戻す?

fookpaktsuen2013-06-22

農暦五月十五日。昼前に10kmほどジョギング。外を走るのは三ヶ月ぶりかしら。曇り空に時折の雨だが、それにしても暑い。陋宅にて読書、といつても四、五日分の新聞読み。夕方Z嬢と北角。観塘行きの富裕小輪の碼頭に飼ひ猫多し。北角街市で食材購ふ。洋酒多く揃へ値段も手頃な炎記でも養命酒は1ℓ瓶がHK$200で日本より多少高いほど。だが年寄りには必飲。茹でた枝豆食べようと雑誌切り取り殻入れ折つたら玄鮨(Xuan Sushi)で実に見事に仕上がる。晩も新聞読み。ロクでもなき世の中。たゞ(都新聞でフーテンの寅さんの名句連載の記事にあつたが)「何て言うのかなあ、ほら『あー生まれてきて良かったなあ』って思うことが何べんかあるじゃない。そのために人間生きてんじゃねえのか」と。
▼唯靈先生信報連載に「雞汁檳榔」あり。これ年寄りから聞いた話では「食檳榔有生熟之分,嚼生檳榔唾涎會變成紅色為狀不雅,故斯文人多食熟檳榔,其中又以「雞汁檳榔」最為講究」「其法是先把檳榔切碎加大量清水煲煮數小時,然後再以上湯加糖煮兩三小時方才「修成正果」」ださうでこれぢたい興味深いが唯靈先生茶樓についての昔語り是格別。前きの大戦前の広東省、港澳の茶樓では勘定の伝票に「茶檳芥」の項あり、と。茶、それに檳榔と芥子。さらに茶樓で「更還有水,是供貴客洗面之用,其後才代之以香巾」と。芥子、辣醤の類ひは昔は食肆ごとに特製の由。
香港大学の「泣く子も黙る」民意研究計画センターの調査によると香港市民の特区政府支持は32%で2004年以来最低。不支持が37%で逆転。今年3月は支持が不支持に対して+18%だつたので23ポイントの下落。だが年齢層で見ると若年層での不支持大きく、では具体的に何が不満か、といふと年寄りにはよくわからず。いずれにせよ市民のうち220万人余が政府に不満となるわけで、さうするとその十人に一人が七月朔日にデモ参加すると20万人強と……わかりやすい。
自民党参院選公約。「憲法を、国民の手に取り戻す」って自民党もこゝまでバカだつたか、と呆れるばかり。これが戦後日本の政権党。「日本国の歴史や文化、国や郷土を自ら守る気概、和を尊び家族や社会が互いに助け合って国家が成り立っていることなどを表明」って、こんなの近代憲法ぢゃないだらう。国民ですら懐疑的なのに未だ「憲法改正の発議要件を「衆参それぞれの過半数」に緩和。主権者である国民が「国民投票」を通じて憲法判断に参加する機会を得やすくした」といふが何がしたいか、って「自分たちが憲法改正する機会を得やすくする」目的なのは小学校6年生にもわかる。でその子どもだちの教育は「新教育基本法・新学習指導要領に沿って教科書検定制度や副読本なども含めた教科書採択のあり方などを抜本的に改善し公共心や社会性、高い規範意識、わが国の歴史・文化を尊重する心を育む。「領土教育」も充実する」ってあの教基法改悪が前回の晋三、教科書検定や副読本は更に右傾化し愛国偏向教育の始まり。お先真っ暗。常識的に考へてこんなバカ党に国政担わせられる筈もないが民度高き民草が選ぶのがこの党とは……南無阿弥陀仏
▼ピーター=バラカン師匠「半数を黙らせる政治、乱暴」朝日新聞(十九日)

民主主義という制度は不完全です。「善意ある独裁者が一番いい」という意見も一理あると思う。ただ、現実的にはありえないから、民主主義は一番ましなものかな。だけど、2分の1だけで決める政治は乱暴ですよ。投票率はふるわず、野党がダメすぎて自民党の不戦勝みたい。あまりに消極的すぎる。こんなことで国の将来が決まっていくのは、こわいです。憲法は政治家のためではなくて国民を守るためにあるのに、今の政権は自分たちが人々を管理しやすくするために憲法を改正しようとしている印象がある。それは、大変な間違い。政治家はよく愛国心に訴えて人をまとめようとしますが、日本の人はアイデンティティーを国家に重ねる人が驚くほど多い。それが健全かどうか。政治家が管理しやすい状況にあると思う。自分の身を守るためにもそのことを自覚することがとても大事だと思います。

じつに日本の政治状況を見据ゑてゐらっしゃる。
▼ネット書き込み好きの晋三に民主党細野豪志君が顔本にて反論、これに菅丞相、橋下まで「参戦」。大人げない。小泉Jr.が晋三は「(相手)個人の名前を挙げて反論、批判をすべきではない」と苦言。
▼「李登輝自爆與中共關係」(信報、二十日)。李登輝先生が中共党員といふ噂につきご本人が台湾大学在学中に「新民主學會」組織し、その後この学会が中共に吸收されたが李登輝共産党の理念と行為が一致しておらぬ、とこの中共系組織から離反。台湾での蒋介石政権での反共対策でこの学会員の何人かが大陸に逃れたが二人は処決されたと李登輝先生の昔語り。「……で、ご自身は共産党の党員だつたのですか?」といふ問ひには「我沒有講這句話」と李登輝先生。