富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

Tokumaru Shugo live in Taipei

fookpaktsuen2013-02-20

農暦一月十一日。朝寝貪り起きたら珍しく八時。中山北路&長安街にある中華電信。iPhoneの出先での充電電池持参したのは良いが肝心の、その電池に充電するケーブル忘れて来てiPhoneは昨日、空港で三日用のSIMカード購つたがiPhoneではすぐ電池が切れてしまふのでiPad mini用にnano-SIMも入手した次第。べつに、そこまで「繋がっていなくても」旅行なんて出来るはずなのに……地図もすっかりGoogle Map使つてゐるし。空港では簡単だつた手続きも市中だとかなり手間。それでも日本ならソフトバンクSIMカードのレンタル(そも/\SIMまで使ひまわしするのは日本だけ?)が150円/日でパケット通信が1,500円/日+通話料に対して台北では3日で通話なしならNT$250で、つまり1日あたり260円也。それにしても台湾、コンビニのバイト君から中華電信のスタッフまで、なんでこんなに礼儀正しく丁寧なのかしら。挨拶も、ならコンビニでお釣りを両手で渡されるとこちらが恐縮してしまふ。台湾の良さを「日本統治からの美徳」のやうにいふ方もゐるが、日本以上に礼節が育まれてゐるのだから。地下鉄で中正記念堂前。記念堂では亜洲歌姫テレサ=テン展開催されてゐるのだが今日はパス。牯嶺街角の郵便局に郵政博物館あり見学。戦前の台湾郵政を見に来たのに、此処は思ひつきり中華民国の郵政が主題。戦前の台湾郵政は「改制前」で一切記述なし。かなり凝つて探したら高雄郵便局のモダニズム建築の写真のみ。此処で戦前の大陸での郵政紹介しても何にもならなない気がするのだが蒋介石時代の名残り、なのは郵政はまさに台湾には日本統治下での郵便制度があつたのに国民党が運んで来た制度で改制した(「出来た」が正確か)から。興味深いのが銀行制度で、銀行は台湾には台湾銀行があり中国に残してきた<銀行>は台湾に運べず国民党政府は台湾銀行を接収して、そこに資産を置き運用せねばならず「中華銀行」は設けられず。それに対して郵便は「手っ取り早く」国家にとつて政府の政治装置として敷けるの加茂。蒋介石の国民党にとつては大陸から率いて来た大量の公務員や軍人上がりに就労先を与へるには郵制は最適な機関の一つであるはず。牯嶺街歩く。郵政博物館があるので、この界隈は古切手、古銭など売る店が並ぶ。南に下ると和平西路のほうには日領時代に建てられた官僚官舎少なからず残る。空き家多し。午後は台湾大学の方へ。学生相手の専門書店など点在。漫歩。虹旗掲げる同志書店もありドキュメンタリー映画制作者・陳俊志の『台北爸爸紐約媽媽』入手。地下鉄で忠孝路敦化。お決まりで度小月で担仔麺。知己に紹介され予約しといた整体按摩。旅寓に一旦戻り荷物置き晩のコンサートに向かふ前に旅寓近くで馴染みの酒場に寄つたらセット料金が400圓で麦酒二本分なのだが時間ないので一本だつたら「今度来られたときに一本サービスしますから」と。そんな……。しかもこの「今度」は1年度でも約束が活きてゐるから。「水商売」といふ言葉に国語も台語も適切な譯がなく、それぢゃ「水商売」が台語になつてゐるか、といふと戦前の日本語には無かつた?、で林森北路以外では通じないかもね、と笑ふ。歩いてLegacy Taipei 華山1914文創園区へ。台北舊市街を囲む城壁が壊され鉄道が敷かれ、その鉄道が地下に潜り1914年からの産業地区だつた此処の建物が歴史史跡に指定され、その再利用で見事な音楽文化地区に。小洒落た飲食設備もあり台北のアート系若者集る。此処で今晩はTokumaru Shugoのコンサート。一人であらゆる楽器を演奏して多重録音で作品作るこのミュージシャンがライブではフルバンドで、といふのもわかるが今晩は Stars というカナダはトロントのバンド(こちら)との共演。いったいだうなるのかしら?と思ふばかり。かなりの盛況。Tokumaru ShugoのファンとStarsのそれとどちらが多いのかわからない、が結果は後者。晩八時にTokumaru Shugoのライヴ始まり最初からファンにはメジャーな曲で飛ばしMCも途中、一言二言であっといふ間に45分きつかりでお終ひ。で45分の!中入りで Stars の演奏始まると、かなりの反響ながらアタシにはこれのどこが何がいゝのか一つもわからず。初めてライブで聴いて思つたがTokumaru Shugoのやうな世界、「ほぼ日手帳」みたいな世界の「柔らかさ」とか「優しさ」とか、そんなものが日本の今の「売り」なのかしら、か弱くもあるのだけど……成長のアトの時代はこれでいゝかもしれない、UNIQLOを着て無印良品で(笑)。今晩のTokumaru Shugoを聴きに来た客のなかではアタシが間違ひなく最年長、しかも香港から(笑)。更に今晩は最新版の IN FOCUS? といふCDいたゞける特典つき。後半のカナダのインディーズポップのライブは全然興味もないので退散。台大医学院のあたりまで漫ろ歩き。夜遅くでも病院が緊急用に開いてゐるのは珍しくないが、あまりに開放的なのは昔から不思議で今晩も乱歩的なこの世界に闖入。三更に林森北路に戻り馴染みのバーMに一飲して四方山話。深更に路地の担仔麺飰す。個人的には度小月より「肥胖」なる、この晩六時半〜朝五時の食肆の大蒜とラードのきいた担仔麺のほうが美味い、と思ふ。今日は漫ろ歩きの途中で購つた台湾産のKa Va Lanウヰスキーをばちび/\とライブ会場でも飲んでゐたので、それに酔ふ。量は一合余だがモルト原酒で58.7度あり。