農暦一月十日。朝八時すぎに空港。一人旅。ラウンジで朝食。CX450便で台北。隣席の女が離陸前に服務員からもiPhoneを消すやうに注意されても
延々と使つてゐていよ／＼離陸となるので「消せ」と注意するとAirplane Modeにしてゐると反論するので「それは離陸後も飛行に支障がないようにradio waveを消す機能で、離着陸の際はいずれの電気製品の「電源を消す」やう言はてゐるだろう」と注意するとかなり不満さうに従つたが政治思想とか言論の自由、茶番のテロ対策といつたぢゃないのだから物理的な安全規定には従ふべき。台北に着くと飛行機から出る際に立ち上がりアタシが椅子の上にバッグとノートブックを置いてあるのに、その上に平気で荷物を置くくらゐ（それがお節介なアタシへの反抗なら可愛いが、さふでなく）デリカシー欠如に驚くばかり。空港バスで市街へ。台北車站より歩いて林森北路の老舗安ホテルへ向かふ。途中、コンビニで明晩のTokumaru Shugo（こちら）出演のコンサートチケット入手。ネットで予約してありコンビニに設置の端末で予約確認、発券されるのかと思つたらレシートが出て、それをコンビニのカウンターに見せるとチケット発券してくれる、といふ仕組み。何よりその端末機が公共料金の支払ひから新幹線、空路の予約、コンサートチケットから何から何まで扱ふので、ちとやゝこしい。お決まりで温週饂飩でお昼。ホテルに下榻。ネットがWi-Fiで繋がるのに携帯の繋がらない窓無し部屋。火事になつたら助からないだらうな、と思つてゐたら晩に神田の薮で火事の由。夕方まで客室で机に倚り、北投天母に露天温泉に浸かる。気温は摂氏14度くらゐ、山の寒風が硫黄泉に火照る肌に心地良し。石牌駅前の牛肉麺屋に夕餉済ませ市街に戻り林森北路の知る地場の酒場、寄れば「おかえりなさい」と出迎へられる台湾情よ、二軒梯子して半夜三更に至り宿に戻る。
