富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

キーン先生の海老のリゾット

fookpaktsuen2013-02-03

農暦十二月廿三日。明日が春分で今日は節分。日本で辛うじて旧暦。晝にかけてジムで有酸素運動と筋力運動を各一時間。何年ぶり、の修業で明日の筋肉痛は確実。文藝春秋二月号読む。大地喜和子との恋愛について「勘三郎の告白」関容子がたっぷり。特集「日本が震撼した47大事件の目撃者」は見かけ倒しで全然面白くもない。晩に厚興瑜記の「手撕鶏」飰す。広東省中山市石岐佬から始まり香港にも二十軒ほど出店ある鹽茹で鶏肉(それを手で毟る)で北角春秧街の店で入手。ちと塩辛いが白葡萄酒(Pouilly-FumeのLes Cris 2010年)でかなり美味。お茶請けに京都の尾張屋の蕎麦板。
東京新聞の「ドナルド・キーンの東京下町日記」。お世辞にもキーン先生お手製の海老のリゾットは美味しそうではない。キーン先生曰く「旧日本軍の玉砕は理解できないことばかりだった。最後の手榴弾を敵に投げるのではなく、なぜ自分の胸に叩きつけたのか……「行きて虜囚の辱めを受けず」と洗脳され信じていたようだが、それは日本の伝統でも何でもない。日露戦争では多くの日本兵が捕虜となり、彼らはそれを恥辱とは思わず日本に帰還した」と。御意。日露戦争はルールに則つた近代戦。この勝利と戦利なき屈辱からワケのわからん日本非近代的軍国主義の時代となる。キーン先生は小田実の回想でこれを書かれてゐたが「米軍が「バンザイ突撃」と呼んだ玉砕。何のために、どうして玉砕したのか……もう一度、小田に聞いてみたくなった」と結んでゐるが、この結論が小田実にわかるはずは、ない。
▼「ブルーバックス」50年で7,000万冊超(都新聞)。1位のタイトル以外、全部、小学校高学年から中学卒業までに読んでゐる「記憶」はあり。だが科学は全然修養できてゐないこと痛感。内容もよく覚へてゐません。だが「マクスウェルの悪魔」は面白かった。今でも時々、エントロピーとこの悪魔君は勝手に自分の理屈を通すときに借用してゐる。

文藝春秋 2013年 02月号 [雑誌]

文藝春秋 2013年 02月号 [雑誌]