富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

國產人才治香港

fookpaktsuen2013-01-09

農暦十一月廿八日。今日も忙しいだけ、で詰まらない一日。机上には岩波の『世界』が四ヶ月分、文藝春秋が二ヶ月分も積んである。忙しくもあり疲れて全く読めず。Z嬢から聞いた話だが、かなり老い耄れがMTR站で小銭入れから硬貨落としながら歩いてゐるのでZ嬢も思はず「あ、お金が、ほら!」と日本語で言ったら老人振り返り「あ、ありがとう、日本人?」と。八十くらゐの老人だと戦争で日本軍が香港占領時代に強制的に日本語学んでゐる世代。晩に自宅でおでん煮て飰す。おでんに赤葡萄酒はどう?と思ひつゝ昨晩の飲み残しで智利ののMonte Alphaは意外と平気。テレビニュースでは立法会が晩二更にまだ審議中で測量梁弾劾決議案(不信任案)提出の梁“長毛”國雄議員が延々と測量梁非難の汚い言葉浴びせ続け……てはゐるのだが測量梁本人は議事堂に不在(実はハッピーヴァレイで競馬観戦)。あまりに不毛な糾弾にも聞こえ政務司がかうした糾弾に時間浪費せず民生改善など積極的な審議を、と。立憲主義の矜持、見事な演説、熟議を心がけるべき。長く喋ればいゝものでなく下手さばかりが目立つことになる。愛護香港力量といふ土共派の測量梁支持演説ではオバサン議員の、そのまるで平壌放送のやうな熱狂ぶり、それもあまりの台詞まわしの下手さでおバカさんぶり発揮。これでは体制派も反体制派もいずれもダメ。今日の信報・林行止専欄が「為前海做好準備 國產人才治香港」と題して、北京中央がなぜこのタイミングで治港藍圖(香港統治の青写真)をば出したのか、といふこと分析してみせ、まず第一に(香港統治)を「なぜ英国人が出来て中国人に出来ないのか」といふプライドで「純粹由「國產」人才管治,香港一樣能夠繁榮興盛」を企図してゐること(この「中国人」は本来「香港人」であるべきだが実際には大陸人か、測量梁に象徴される中共系の香港人)。そしてもう一つは
中國在香港試行其規劃的一套,當然有得有失,而總結經驗,加上已培養(不斷淘汰、吸納)了大批人才,正好為數年後對外開放的前海管治團隊做好準備。前海的最終目的在取代香港,成為由北京操控、全面為中國服務的地域性金融中心
としての「特設城市」としての香港の経営で、これは北京が事実上の管理するなかで外国人も安心して居住、ビジネスの出来る都市環境を維持することは新加坡の成功例「新加坡有英式法治外殼,實際上法治的貫徹,巧妙地被執政者玩弄於股掌間」あり。いずれにせよ測量梁の行政長官としての手腕の拙さもひどくなるばかりで結局のところ「令香港政務未來更易引起「上下交征」的民憤以致愈來愈不易管治。這未必是北京願見的局面!」と。結局のところ香港の自治能力の無さが北京の介入をば必然的なものにしていく、と。御意。これに対して「だから普通選挙実施で民選の行政長官を!、立法会の全面普選を!」となるのだが、さうして選ばれた行政長官でも北京中央との対峙では結果的に香港自治には不利になる、といふのが何とも……。
▼環球時報は七日の社説に続けて今日は「在动态梳理中重现中国新闻实景」と題して、まぁ堂々と
中国不允许正规媒体攻击国家基本政治制度,这是因为国家国体是宪法规定的,严重违宪的攻击即使未来大概也不会允许在正式场合出现,这在西方也是一样的。
と述べる(こちら)。南方周末をば生け贄に「政府を公然と批判すれば不利になる」ことの証明といふこと。