富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

「京香餃」已経結束営業!

fookpaktsuen2013-01-06

農暦十一月廿五日。天気良き日曜日。はたらけどはたらけど猶わが生活楽にならざり、で今日も朝から官邸でご執務。昨晩の深酒に幸ひ二日酔ひはないが、さすがに飲み疲れ、でRedBullぐび/\と飲めば本当に禁断の魔法飲料でお元気に。飲み疲れの次の日は昼にカップヌードルが多い。午後遅く香港大学大学図書館に久々に寄れば随分とG階リファレンスフロアのレイアウト変はり当たり前田のクラッカーだが一時(いっとき)かなり幅かきせた電脳が駆逐され昔ながらのリファレンス図書とソファに。一昨年?から図書館長のPeter Sidorko氏の方針なのかしら。いずれにせよご立派。狭いキャンパスの迷路の如き路地を抜けつゝ大学創立百周年記念で増設の、かつて貯水池だった一帯に築造された新キャンパス、そこのLee Shau Kee Lecture Centreで杮落しのコンサートあり。準・メルクル指揮の香港フィルが(昨晩、コンサートあったらしいが)今日は此処のホールで記念演奏会。N助教授からお誘ひ受け銀行A氏、Z嬢と聴かせてもらふ。ブラームスのアカデミックフェスティバル序曲、Igor Yuzefovichのヴァイオリンでエルネスト=ショーソンの「ポエム」とラヴェルのツィガーヌ。でブラームス1番の第3楽章とベルリオーズの序曲「海賊」。アカデミック序曲で始まった大学にとって「誰が(大学を乗っ取る)海賊なのかしら?」と嗤ふ。今日はこのホールの杮落しなので当然、如何ほどのホールなのか、と音響も確かめたいが如何せんオケが香港フィルなので準さんが指揮しようが誰だろうが相変はらず楽しくない演奏でホールの音質は確かめようがなし。たゞ音響はけして良くないことは確か。香港フィルは「明後日来やがれ」のホルンは語るでもないが木管は立派だしチェロもヴィオラも合格だが、あの「少し楽しく演奏できないの?」の第1ヴァイオリンこそどうにかならないかしら。Igorさんのヴァイオリンの音色は美しくポエムはまだ聴けたがツィガーヌなら上手い下手でなく曲として楽しさがあるかないか、で香港シンフォニエッタ、で葉さんの指揮の方がずっといゝはず。ブラームスの1番の第3楽章は、こんなメジャーな曲なのに思はず原曲がどんなだったか、を忘れてしまふ。明らかにオケとして、主旋にどう譲るのか、どころか演奏しつゝ主旋律をどう聴くのか、の習得が出来ていないの鴨。の準・メルクルがとにかく舞台では芸者の如く華々しく存在を見せつけるが、それでも香港フィルは香港フィル。ベルリオーズのLe Corsaireは、とにかく弾きながら「もっと歌へ!」と、それは香港フィルが最も苦手とするところ。N助教授のご案内でこのビルの屋上に上げてもらひ丁度、ランタオ島の向かふに日没を眺む。建物の出口で、この大学の理事長でもあるL医師の尊顔拝しご挨拶。A氏のレクサスで送ってもらひ三人で京香餃に寄るつもりがビル見当たらず「あれ?」とよく見たら、どうやら再開発で建物が取壊しか大規模改修か、いずれにせよ京香餃が「すでに店仕舞ひ」。弐ヶ月前になろうかしら、久々に食したのが最後。あまり商売っ気のないご亭主、でもやはり堅道の路面店でやってゐたころが懐かしく、店のアタシらが「女将」と呼んでゐた猫のこと想ひ出す。致し方なし、でFCCのダインで夕食。
日本国憲法の起草に関はったBeate Gordon刀自へのFT紙のObituary記事、こちら。日本の新聞で物故記事もあり識者の追悼が文章も掲載はされる、が、なぜ欧米の新聞雑誌に見られる“Obituary”の格調高さ、が無いのかしら。これこそ故人への餞けだと思ふのだが。