富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

常温の日本酒とコロッケ

農暦十一月十七日。平日に二日澳門に遊んだぶん土曜の今日はお仕事。帰りに日本酒買ひにジャスコに寄ると、とんでもない人出。菊正宗がずっと品切れで辛丹波。コロッケ揚げて飰す。コロッケと常温の日本酒ってやっぱり美味い。この季節に珍しい本降り。北風強し。
衆院選最終日に秋葉原で「民主党は、日本の教育を歪めた日教組に支持されている」「子どもに正義を教えるまともな教育を取り戻す」と晋三。日の丸手にした若者が「そうだぁ」と声を上げ動画サイトには「日教組、マジで日本から出ていけ」「感動もん」「涙出た」と書き込み。晋三は公示前に「『ネットなんかに』というマスコミに草の根の力を認識させよう。秋葉原から日本を変えよう」と晋三サイトに書いてゐた由。中川淳一郎は近年の隣国を罵り、それとの協調を唱えるマスコミ(朝日か)をマスゴミと敵視する過剰な「愛国サイト」が目立つが、そのなかで前回の首相時代に閣僚の数々の不祥事など報じられた晋三は「メディアに潰された悲劇の英雄」と映り「今の社会や自分の境遇に不満を持つ若者層がネットでの安倍支持者の中心」で「本人(晋三)もネット人気を本当の世論と勘違いしている。総裁選の党員票で石破茂さんに完敗したことを忘れたのか」と指摘す(以上、廿六日、都新聞)。翌日の都新聞で中川氏は続けて晋三のFacebookにことを書いてゐる。マスコミを仮想敵にして「皆さんと共に戦います」と「善良なる大衆」に呼びかける晋三。晋三を揶揄したとされるテレビニュースキャスターの写真を貼りコメント欄でファンがそれを叩く。NHKの「どうする日本 新政権に問う」も晋三は気に入らなかったやうで「反安倍のクリンナップ」の一人とされた藤原帰一は「帰国した5名の拉致被害者は直ちに北朝鮮へ返すべきだ」といふ発言「で有名な」、と晋三に書かれたさうだが藤原氏はそんな発言をしてをらず晋三はその書き込みの訂正すらしてゐないといふ。都新聞からの引用が続くが、北原みのり女史が安倍内閣を「戦争ごっこで遊びたいネトウヨ内閣と呼び晋三やネット上の支持者に共通するのは「脳内愛国」だ、と。御意。「領土を守るためには武力行使もありと意気込むのは余程の平和ボケ。本物の血が流される戦場の現実感がないのだろう。日本が抱える自信喪失や社会のダメさ加減の裏返しだ」とみのりさん。従軍慰安婦の強制連行は事実無根とする稲田朋美(行改相)に対して「戦時下の性暴力は男性優位の構造で起きる世界共通の現象。それを日韓問題に矮小化し同じ女としての痛みさえ感じない。(稲田は)女の皮をかぶったオヤジのようなもの」(笑)と辛淑玉女史。法学の國分功一郎は晋三の掲げる憲法改正について「憲法とは『それを守る限り、国家が国民と統治できる』という国民による国家に対する“縛り”。日銀法改正も世界各国が順守している中央銀行の独立性を侵すもの」と指摘して「あるべき仕組みを政治で無理矢理変えてやろう、という発想は物事を知らない」と。御意、御意。
▼朝日で筒井先生が連載の『聖痕』はあたしが想像してゐた「貴夫がエログロ的に嬲られる」か森茉莉栗本薫的な展開には至らず、まさか、で味覚の世界に突入してゐて「これはいったい何なのか?」がさっぱり解らないが大江健三郎先生くらゐになると有繋に非凡な方は「丸谷さんの『市民小説』の、市民としての人格の達成が貴夫君にもあらわれてきている」「小説世界になつてなかった重荷を負う貴夫の社会性を味覚がしっかり支えているという人物創造」とまで読めるさうで葉書に書かれたその誉め言葉に筒井大人一寸困り「中国の宦官の権力欲みたいな反社会性を、いずれは貴夫も持たざるを得ないだろう」と返事した由(筒井大人の偽文士日碌より)。