富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

テレ朝「相棒Season 11」初回スペシャル舞台は香港!

fookpaktsuen2012-09-25

農暦八月初十。早晩に帰宅して簡単超ドライなジンマティーニ。レシピは反原発の色彩濃い東京新聞の上に置いた「バカラの」ロックグラスに氷。ベルモット注ぎ一寸攪拌して一気飲み。そこにジンをドボ/\で出来上がり。ちなみにナショナルジェオグラフィック誌がレモンピールの代わり。八穀米のご飯、オクラと丁寧にとつた出汁で混ぜた山芋を頬張る。すつかり秋の食卓。NHK吉田茂ドラマ2話録画で見る。マ元帥に臣茂が「日本人は陛下の赤子として生きてきました」とかいふ場面あり。「天皇の赤子」なんて幻想は当時、出来て未だ半世紀ほどのはず。これといひ進駐軍自民党民主党への幼稚な政権交代、嘴舌維新まで、まぁなんてお気楽さ、が日本人の真骨頂かしら。ドラマの中で茂の息子の健一が(麻生)妹の和子に「お父さんが総理になったらどうする?」と言ふ場面あり。「まさか」と和子笑ふが、どうせなら和子に健一が「太郎が総理になったらどうする?」のほうが和子の「まさか」の台詞が活きる(笑)。
▼香港の誠品書店、開店ブーム去り客数半減、話題の通夜営業は(深夜営業の人件費は台湾の4倍だとかで)当面無しの由。台湾の各店とは雲泥の差。何かが足りない書店。
▼明日投票の自民党総裁選。候補者の演説聞いたが呆れるばかり。神がかり安倍は別格として石原もやつぱり「あの父あつて、この子あり」の変人ぶり発揮。林政調会長代理がやけに常識的に見えるから。皆さん尖閣で「日本といふ国が今まさに外国からの危機に立たされてゐる」と訴へるがマッチポンプとはまさにこれ。中共もだが日本の政治家も上手にこの尖閣騒動を利用。台湾とて同じ。いさゝか遅いが漁船のご一行。NHKのNW9はこの陰に大陸での商機狙ふ台湾の菓子メーカー(旺旺)の陰がっ!と一大スクープ。あーあ。朝日新聞鈴木邦男先生が

大局的に国益を考え、中国や韓国をやっつけろと騒ぐ世論を抑えるのが政治家の役割です。国民と一緒になって騒いでどうするんですか。非国民、国賊と呼ばれても、冷静に対処する覚悟がなければ、真の愛国者とは言えません。国民生活を豊かにできない自らの無能を隠すために愛国を利用する卑怯者です。

と述べられてゐるが(九月十八日「心の痛みがない愛は偽り」こちら)本当にその通り。昨日の信報に丁望さんが「中日紛爭:仍在可控範圍」と題して書かれてゐることは日中間の紛争が緊張高まつて見えてるが実際は両国の「軍事演習」、あくまで控制可能なレベルで戦争には程遠いもの。国家間の境界線であるとか海域、中間にある小島といふのは外交力の交渉カードとして用いる用ゐ易い。今回のケースでいへば、まず東京都知事のやうな極右勢力の動きが契機となり中国は国際法上、と国連にこの諸島の帰属問題を上げ国際社会の関心を引き、続いて抑制可能な範囲内で国内各地で反日デモ抗議があり、軍隊の増強、演習の実子、外交カードは持つてゐるが翳さぬ「戦争と平和」状態。適当なところで経済封鎖や今回はレアアース禁輸などの措置をとり、そのへんで外交交渉となり1978年の日中平和友好条約の原則で「争議は一先ず置いて共同で今後の安定した発展関係を維持、構築していきませう」となる……とまさにこれは東大の高原先生とかが指摘する、そして櫻井よしこが「さういう理想論では結局、何も解決しないわけで日本が独立国として……」と目くじら立てさうだが(笑)、こんなところに落ち着くもの。ちなみに丁望さんは尖閣は日本が1895年に下関条約で獲得したもので1943年のカイロ宣言で日本が侵略選挙した全ての中国領土は台湾、澎湖、満州など「歸還給中華民國」(shall be restored to the Republic of China)との由。
▼現代中国アートといへば「笑ひ泣き」の岳敏君による「儍笑人」系列。尖沙咀のハーバーシティでドラえもんに続き銅製の塑像展示の由。岳敏君といへば六四の天安門鎮圧のあと「處決」が有名。2007年にそれがHK$46mで競り落とされ翌年には轟轟が更に高値のHK$54mなり。

「痛苦是沒辦法擺脫。」岳敏君最為人熟悉的藝術作品,是以其自畫像的「儍笑人」系列,一張張笑臉背後,是悲觀的創作根源,「是出於無奈的狀況,自己沒有力量的感覺,只能夠用笑來表現所有的事情」。他說筆下的笑,是一種痛苦的表達,「最痛苦是迷茫和困惑,這是一個永久的感覺」。岳敏君說身處一個充滿糾纏和焦慮的環境,要用笑去顛覆一切,「我感到人生是痛苦的,所以才用這種笑來感受」。岳敏君在言談間總流露悲觀主義,對人民能發揮的力量,不感樂觀,「每次人民團結起來改變,(變得)越來越糟糕,而不是越來越好」。更多時候,他小心慎言,對於內地藝術家艾未未被打壓,他認為是「跟他所處的環境發生衝突」,並未談到艾的維權行為和作品。

蘋果日報より。
iPhoneの製造といへば富士康、深圳だが山西省太原の同社工場で職工が暴れ少なくても十人死亡の由。蘋果のiPhone5の製造の主軸はこの太原で山東、河北、河南、深圳など各地の富士康から職工集められiPhone5発売に合はせ週末返上、残業続き。各地から寄せ集めの職工の鬱憤たまり守衛とのイザコザから今回の暴動。ちなみにこの太原の工場だけで職工の数5.7万人!といふ。世界中でお祭り騒ぎの如く、たかだか携帯電話の新機種発売に浮かれてゐる陰で、この製造現場の現実よ……。
▼テレ朝の十月十日(双十節は関係ないか)スタートの「相棒Season 11」の初回スペシャルの舞台は香港の日本総領事公邸。「地元警察も踏み込めない“聖域”で起こった難事件に立ち向かう」(東京新聞)由。現実の政治よりこの喜劇は素敵。何だかこれを聞いただけで地元香港のキャスティングが目に浮かぶから。ピークの総領事公邸では総領事(大使)ご夫妻が香港の金融管理局総裁、それに北京から来港中の中国人民銀行トップお招きで食事会。日本側は香港の日銀、日系メガバンクトップが同席。そこで金管総裁がお手洗ひに行つたまゝ戻って来ず、謎の殺人事件の始まり。新種の国際的金融テロ組織が総領事公邸占拠。皆さん人質に。地元警察も踏み込めない聖域……のはずが、そこに日系地元警備会社の御大が「いや〜、遅くなって」と登場にテロリストも驚くばかり。実は翌日の公安関係のお呼ばれと日にちお間違ひだつたが地元警察も踏み込めないが公邸の警備委託されてゐるので中の状況何も知らぬ守衛も社長を通した次第。公邸料理人、その厨房ヘルプで入つてゐた某領事、東京から休暇で来ていた外務省のテロ対策エキスパートの大活躍。香港には桜田門から水谷豊ご一行が警視庁音楽隊のマーチングパレード来賓で来てゐて……実は翌日、公邸にお呼ばれだつたはずが一日早く「お仕事とは……とほほ」と。嗚呼、面白そう。