富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

丹羽大使の言った通り!

fookpaktsuen2012-09-15

農暦七月卅日。中共反日抗議激化暴徒の如し。さすがに昨晩の日本酒の深酒であれだけ飲んで宿酔ひはないが血糖値は15.6mmol/Lといふ恥ずかしい数値のため「できるだけ外出は控えませう」(笑)で昼すぎまで在宅。午後、湾仔。香港文化中心。葉志偉が十年前に出版の『突然獨身』といふ同志小説あり應霽、一峰、達智ら諸兄の評判高く今回、舞台化されそれを見る。当時は同志小説といふだけで話題になつただらうが十年を経て、若者のその人間模様が主人公が偶然に男同士であるといふことで特異な点がなく思へる、せいぜい「カナダに行って結婚するとか」が付随条件的であるだけで、寧ろ今回は話題になつてゐたのは張正和といふ舞台設計が文化中心の狭い舞台でかなり見事にいくつかの場面を作り上げ、照明(羅瑞麟)と音楽とも非常に配合良し、は評判通り。小西湾。Z嬢と合時小厨に夕餉。最近このやうな外食ではお酒なし。晩六時半のテレビニュースが内地各地反日暴動映す。隣席の若者が「白痴〜!」と非難。国内の暴動に続き「上水でも」とニュースが続き、一瞬、この食肆にゐた客が「香港でも反日?」と驚いてテレビ見上げると新界上水で住民が深圳水貨(担ぎ屋)の来襲に怒り「光復上水!」と抗議活動。新界はこの水貨客のおかげで日用品の物価高深刻。この問題や国情教育、大陸漢旅行者の急増……で香港は明らかに大陸と距離を置く香港としてのアイデンティティが求められてをり反日抗議に関しては幸ひなことに大陸との同調はないだらう。かなり久々に電影中心。Z嬢が許冠文の『半斤八両』見たことがない、といふことでアタシはもう何度見ているかわからないが再び。アタシが小学生のときに衝撃的に『Mr.Boo!』と『Mr.Boo!インベーダー作戦』『Mr.Boo!ギャンブル大将』立て続けに公開され「香港って何なんだっ!」と強烈な印象。ブルース=リーでもなくホイ三兄弟=香港なのだ、アタシにとつては。このナンセンスに何度見ても声を出して笑つてしまふ。映画終はつて座談会あり、といふのでこれの嫌ひなアタシはさつさと席を立つと小さな館内に歓声と拍手で誰?と思つたらかなり精悍な!許冠文(マイケル=ホイ)ご本人。当時の喜劇は好きだが、その後の喜劇人にありがちなシリアス化が好きになれず。下手すると立法會議員にでもなるの?といふ時期あり(今回の選挙では自由党の田北俊応援)。それにしても今晩のマイケル=ホイは70歳だと思ふと若さ溢れ驚くばかり。
反日抗議暴動化についての断章。
東京新聞で北京から新貝憲弘記者が書いてゐるが、これまで過去の日中の指導者は日本政府が「領有権の問題は存在しない」と公式見解にしつつも尖閣諸島の領有権問題を棚上げしてきたのに今回、この国有化はそれを蔑ろにするもので、記者は「当面の対立を抑えるため関係者からは「何らかの表現で、日本が領有権問題の存在を認めるしか、改善の糸口はないのでは」との声も出ている」と書いているが、さうなるだらう。結局のところ丹羽大使が六月に “If Mr Ishihara’s plans are acted upon, then it will result in an extremely grave crisis in relations between Japan and China," "We cannot allow decades of past effort to be brought to nothing.”と懸念したことが、その通りになつてゐる。
湖北省の友人P君が「如果收回釣魚島,我們还是一样买不起房,看不起病,养不起娃,上不起学,拼不过富二代,拼不过官二代,老了回到农村领那每月三毛的养老金」と呟く。御意。
翌十六日の蘋果日報は「內地再爆大規模反日示威,表面是民間「自發」,但與當局默許甚至鼓勵不無關係,當局目的是「挾民意」對日施壓,以利外交,與1999年中國駐南斯拉夫大使館被美國導彈襲擊事件如出一轍;而內地民間也可借機會,發洩長期受壓抑的政治情緒。有學者指,當局利用民意進行外交施壓形如玩「雙面刃」,因內地一黨專制、缺乏言論自由,民間的政治表達長期受壓抑,稍有不慎,示威就可能失控,變成義和團式暴動,造成嚴重社會後果甚至危及中共獨裁統治。近年反日示威頻現暴力及打砸搶等,即是徵兆。」と。いつこの抗日暴動が反政府暴動になるか、が最も懸念されること。