富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

すめらみくさに吾は来にしを

fookpaktsuen2012-09-14

農暦七月廿九日。気温は摂氏25度。湿度が60%台でかなり涼しく感じる。読売新聞朝刊の一面に「上海で日本人暴行続発」とあり「今日は忙しくなりさう」と思ふ。尖閣の国有化は中国の反発必至とは思つてゐたが竟に民間人も標的か。たゞ被害に遭つた方も本当に、たゞ「日本人らしい」容貌で狙はれた=無差別なのか、そのへんはだうなのかしら。丹羽さんの後任大使は渋谷松濤の路上で倒れ昏迷の由。蘋果日報が「身為外務省副部級官員的西宮,上下班理應有專車接送,為何在這敏感時刻一個人外出,惹人揣測」と指摘。予想通り何かと対応忙しくなる。香港はかなり安定してはゐるが一衣帯水で関連すること多く向かふ岸の火事と眺めてはをれず。とにかく先手、先手で殊にマスゴミ対策は大切。先に情報を網上などで出してしまふこと。取材されないやうにすること。SARS、鳥や豚の流感、これまでの幾度の反日……いつも、さう。取材といへば明報の記事に「港保釣新血再征釣島 忙修船趕9.18出發 無驗船證照突圍」と勇ましい内容あり。

霰(あられ) 降り鹿島の神を祈りつつ皇御軍(すめらみくさ)に吾は来にしを (万葉集:大舎人部千文)

といふ歌が頭に浮かぶ。その記事に「香港の日本人の間に尖閣で緊張」といふ見出しあり何かと思つたら記者が香港で日本人主婦に「尖閣」を尋ねたらノーコメント……ってそれだけ(笑)。一応そのしょーもないネタのあとにもう一人の日本人は「盼望中國及日本維持友好關係,其他不予置評」ってのを付け足して、一応、バランスをとる。所詮こんなレベル。新潟のM記者が「それにしてもこの明報記者、英語って、どんな発音でこの島を表現したんでしょう。Diaoyuといっても、普通の日籍家庭ではまずどこのことかわからんでしょう。Senkakuと発音したら、記者自身が日本の政治的立場を認めたことになりかねないし」と……確かに。かなりいろ/\対応済ませ急がしいといゝつつ早晩に銅鑼湾で散髪。北角の寿司加藤。外交官某氏と飲む。椿事の話数々此処に綴るを能はず。二人で辛丹波をば一升半近く飲んでしまふ。今どきかういふ酒飲みは珍しい。半夜三更、帰宅しやうとタクシーに乗つたが間違つて往き先を「銅鑼湾」と言つてしまひ久々にバーSに独飲。Bloody Maryと角のヰルキンソンハイボール飲みながらThe Economist誌一週間遅れで読む。最近、紙での購読止めた朝日と信報はネットで読むことになるが紙だと読まぬかぎり積み上がるので読むことを強いられるがネットだと、そのストレスないぶん読まずに済ますこと多し。
▼北京の中関村O氏が「広九特快の車両置き換え」教へてくれる。国慶節連休中に置き換へらしい。車両の塗装はこれまでの列車の白と青を踏襲して美しいが車内はなんだか簡略化しすぎ。アタシは昔の中国のソファのやうな軟座が好き。
▼左丁山「行政立法僵局」(蘋果日報)より抜粋。

立法會可說大換班,磨合需時,恐怕立法會復會後頭六個月行事不暢順,啲高官有排頭痛。梁振英新班子面對新人咁多嘅立法會,激進派更多嘅立法會,好難有運行咯,故此左丁山敢大膽預測,未來一年香港特區政府難有作為,冀望政府帶領經濟走上新方向者,一定失望。