富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

反日デモができる自由

fookpaktsuen2012-09-16

農暦八月朔日。朝から自宅書斎に中国反日暴動対策本部設け、といつても東莞の日系電子部品メーカーに働く知己や深圳で日本人相手の卡拉OK小姐とメール談義。その日系大手工場は平静、日本人相手の卡拉OKは上海で夜、打倒された日本人ゐてから、といふもの閑古鳥の由。阿Paul(黄貫中)君がブログで

昨天做了個怪夢,日本所有東西一天內全都被中國人買光了(包括富士山),那個死原腎太狼(石原慎太郎)手拿日本軍旗,猝死東京街頭,我連忙上前抱着他說:你千萬別死得那麼輕易噢!(此處省略血腥一段),驚醒,自覺很邪惡,但卻不內疚,因為軍國法西斯才是我們該痛恨的,不是日本人或日本貨,是非要分清。

と書いてゐるが素敵。人民網(人民日報ネット版)も昨晩遅く「我们怎样保卫钓鱼岛?」といふ論評掲載*1し「日本のマスコミが今回の行動をば「暴徒化」と呼んでをり、これでは石原を勢ひづけさせる口実になる、だから理性的に行動を!」と呼びかける内容。「石原と同じ」だと思はれると恥ずかしいでしょ、と諭す(笑)。それにしても湖南省長沙の平和堂への襲撃は「打砸搶燒 洗劫珠寶店搶劫勞力士……」ってローレクスは日本製ぢゃない(笑)。蘋果日報はこれを

湖南長沙知名的日資平和堂商場昨被反日示威者縱火,濃煙滾滾。部份暴徒更打砸搶商場的中資名店和珠寶店,貴重物品被洗劫一空。有商場員工說:「確實有名錶、金器被搶,當時沒想到關門了還會被搶。」連她在八樓的辦公室都被砸了。當被問到損失情況時,她苦笑一聲說:「日本人一點損失都沒有,最後還是中國人來賠償中國人!」
令許多網民痛心疾首,「各地的燒砸搶,似乎見到了義和團的穿越。」有網民揶揄:「釣魚島終於引發戰爭了!但是中國人自己內戰。

と指摘しているが今、一番懸念されるのがこれ。それでも笑顔のアングリーパイレーツならぬアングリーパトリオットたちは手当たり次第、中国人経営のラーメン屋でも日本車でも何でも壊す。たゞ北京中関村のO氏指摘してゐたが「抵制日貨」としても中国で絶対にできないのはだいたい中国人民が携帯してゐる非接触式ICタイプの身分証明証(ID)の半導体は上海の華虹NECといといふ日系工場の供給なんださうで、俄か反日セールも登場し飲食店で釣魚島は中国のもの」と叫べば1割引、「日本も中国のもの」と叫べば2割引き(笑)。いつたい何なのだらう、この騒ぎは。といふわけで対策本部を出て午後、荃湾。久々に山西刀削麺に飰す。荃湾大會堂で日本人団体の音楽会あり。この時節柄で開催できるだけ香港は平静を保つてゐるのは香港市民的には昨日の日剰に綴つたやうに「中国との距離感」があるからで「あれと一緒にはなりたくない、されなくない」。それでも突然、維園阿伯みたいのが「打倒日本人!」なんて来たりしないかしら、と思つて会場に向かふと会場近くの歩道橋の上で様子窺ふ怪しい二人の男あり。ラジオで競馬中継聞きながら競馬新聞で予想してゐるが、よく見るとすでに第2レースも終はつてゐるのに第1レースの出走表見てゐる。丁度、総領事来臨で公用車のナンバーもメモしてゐて「怪しい奴」と思つたら(先方もアタシのことを西環特務とでも思つたか……笑)香港警察の私服警官。日本人が集まるので警備されてゐたのですね、ロビーにそれなりの数。お疲れさま。ちょうど同時刻、香港島では主催者発表5千人規模(警察発表は1千人以下)で反日デモ行進と総領事館への抗議行動あり。中国内地では外出も控えるやうな日に日本人で音楽会やつてゐるのだから香港は平和、これが香港の価値ですね……と中入りにロビーで或る方と立ち話。何だか国共内戦文革の頃を想ふ。今日のトピックスは荃湾で横断歩道を赤信号で渡つて警官に叱られた。22年で初めて。香港は法治社会なのだ、と時節柄変な感心。チョートク先生が「マンハッタンじゃだれもしかってくれません」と……確かに。警察も交通安全してゐられる社会は平和。ロッパが芝居の筋で警察に叱られた時代は嫌だが。それとセブンイレブンで「店内での飲酒不可」の貼紙あり。これも今日まで知らずに何度となく立ち飲みしてゐたアタシ。帰宅して秋めいたので栗ごはん。兵庫の櫻正宗と新潟の越乃梅里それ/”\一合瓶入り飲む。今日の中国全土の反日デモ、暴動をテレビニュースで見る。北京も激化。警察と機動隊の警防御も活発化。それのなかでやはり一番、愚連隊が過激化してゐるのは深圳。他と違つて30歳の経済特区は事情も複雑。反日を完ぺきに通り越して公安に対する暴動と化してゐる……笑ひながら、なのだが。普段、立ち並ぶ機動隊員の頭をヘルメットを素手で「この野郎」なんて叩くこともできぬし。工場の女工さんたちも笑顔で行進。街頭をスローガン叫びながらデモができるなんて、こんな時くらゐ。これが自由を感じる時かも。それは尊重してあげないといけない。
東京新聞の今村太郎記者のスタンスは好きだが今日の「香港高まる嫌中」で香港の状況分析はその通り、でも

急進派主流派は今後、政府や親中派との対決姿勢を更に強め、民主的世論の形成を図るとみられる。

と記事をまとめてをられるが果たして、そんなに上手くいくものかしら。そりゃ対政府、対中で強硬的な意見は市民の中で高まるのは必至、だがそれが世論であつても民主的かどうか、は別。さう香港政府や北京中央に対抗せずに協調路線とる民主的世論が形成されることもあり、世論が自由闊達に語られ熟成していくことが民主的、といふことで。
▼十月に着任予定の西宮新駐中大使逝去。このまま丹羽さんでいけばいゝのに。

*1:今天,国内许多地方发生了涉日游行活动。其中,一些非理性的行为让人感到遗憾。有日本媒体幸灾乐祸地称中国抗日陷入“暴徒化”,并预测会给中国社会带来动荡。这也让石原之流找到了鼓动的口实。没有谁会怀疑祖国遭受欺侮时涌动的爱国激情,没有谁不能理解当祖国遭遇挑衅后同胞们的愤懑与抗争。因为,一个没有血性的民族注定要被欺凌,一个永远韬光养晦的国家必然受气挨打。但是,有一个残酷的问题,我们不得不面对――靠那些失去理性的行为,我们可以保卫钓鱼岛吗?其实,每个人心里都有答案。所谓“中国人一天不买日货,日本一半以上的工厂就要倒闭;中国人半个月不买日货,日本人整个工业支柱就要彻底垮台”的宣示,不过是血脉贲张的幻觉,地球村下“绝缘”作用能有几何?而一大群人围住同胞的合法财产,貌若“大义凛然”地破坏,除了让法治文明蒙羞,只会让饱受其害的手足受伤。一大群人围住在华的日本公民,看似“同仇敌忾”地讨伐,更是自降身价的冲动,正中日本右翼政客千方百计挑起事端的下怀。理是理,非是非。失去理性的暴行,这与日本政客的蛮不讲理又有何异?丧失理智的拳头,吓不走嚣张的恶犬。泄愤式的“爱国”表达,只能让贼人偷笑、外交被动、同胞伤心。自日本不顾中方交涉9月10日宣布“购岛”计划以来,中国政府从发表官方声明,到划定钓鱼岛及其附属岛屿领海基线,从派出海监船开展维权巡航执法,到驳回日本方面无理抗议,从向各国驻华使节作专门通报,到向联合国提交领海基点基线坐标表和海图,等等,无一不体现了尊重国际规则和国际惯例、努力通过外交途径解决问题的诚意和态度。“得道多助,失道寡助。”捍卫祖国的核心利益,是一场道义的较量,一场正义与否的交锋,我们不能被日本的无赖带着走。全球化的今天,我们应让世界看到,和平崛起的中国,政府治理在进步,国民素质在提升。大时代需要大国民,日本右翼最惧怕中国国民的强大。理性爱国、奋力强国、精心治国,才能真正捍卫国家和民族的尊严。