富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

梁振英決定修改國民教育科的政策

農暦七月廿三日。天気快晴の土曜日。中環からフェリーで坪洲。坪洲に引っ越すと不動産はおいくら?と島で唯一の不動産屋の貼出し眺め島で唯一のベトナム料理屋(越食越棧)に昼餉。

生春巻が期待以上に美味。午後の横水渡(離島渡し船)でランタオ島の梅窩経由で長洲島。此処は人口も週末の余暇客も多く住みたいとは思はない。市街漫ろ歩き充升甜品にマンゴー西米露のデザート。夕方のフェリーで香港島に戻る。香港政府総部まで炎天下歩き反国民教育の集会覗く。黒服で参加を!と呼びかけてゐる現場に白い開襟シャツで申し訳ない。晩になればなるほどの人出。晩に自宅で大きな画面でDVD見ようとピーター主演の1969年の映画『薔薇の葬列』選んだがHDMIのRegion Codeが合はず。Apple TVに飛ばそうか、と思つたら今度はAirPlayが飛ばそうと思ふと映像が白と灰色の格子画面になつてしまつて、これはだうやらパソコン側のコンテンツでもDVDは別なので淫らに飛ばせないらしい。NHK渡辺謙吉田茂演じる「負けて勝つ」だかドラマやつてゐたので見る。吉田茂は白州二郎ドラマの時の原田芳雄のほうが渡辺謙よりニンあり。今回はとても小人物に映る。それにしても近衛邸でご幼少のみぎりの細川護熙(とてもお行儀が良い)、吉田の官舎で麻生太郎(ソファで飛びまくり)が出てくるがありゃストーリーに何か関係するのかしら。それに吉田健坊がまぁ真面目で父の政界入りに悩んだり好青年(笑)。NHKのドラマは「坂の上も気になつたが」……これは昭和の「明治の群像」シリーズもさうなのだが、今回の吉田茂も何故いま臣茂なのか、といふとここ二十年、連戦連敗の日本の政治経済にあつて、あゝいふ強いリーダーの出現を願ふ、相変はらず他力本願な世相の反映なのかしら。今は当時と世界情勢や官僚の出自も違ふので臣茂など出てこないのだが。ドラマ見ていたら、その合間に行政長官測量梁が政務長官が晩一更に記者会見開き国情教育につき三年以内といふ学校の実施期限撤回し実施は学校の自由裁量とし自らの任期内は愛国教育必修化を俎上に載せず、と発表。2003年の基本法23条に基づく公安立法時と同じで民意が、直接に選挙できぬ行政長官の決定を動かした形。実質的な国情教育「撤回」に映るが学校に未だ選択肢残す妥協案に過ぎず公立や左派学校で国情教育推進の余地ありで政府総部取り囲む千萬の反対派は「どうせ明日の立法會選挙意識してのリップサービス」としてこの愛国教科を完ぺきに撤回せよ!と抗議活動継続。さすが。たゞ新潟M記者鋭く指摘されてゐるが

中央の卸した政策を引っくり返されるたびに、さまざまな決定権が港府から中聯弁へ奪われるという側面もあるでしょう。ますますもって特首は新疆や西蔵の「自治政府主席」並みになり中聯弁代表(=区委書記)が事実上の香港総督になっていく。おそらく特首の権力をほとんど奪い取ったうえで2017年だかの普通選挙が実施されることになるとにらんでいますが、いかがでしょう?

と。慧眼。FTの六日社説“Red Tought”(こちら

Beijing is confusing a love of China, which nearly all Hong Kongers have, with a love of China’s Leninist state. They are not the same. Critical thinking imbibed at school is a foundation of Hong Kong’s success. China’s leaders should stop interfering with an education system that has served Hong Kong well. And Mr Leung should drop his support for the new curriculum. If not, suspicion will rightly grow that he is Beijing’s stooge.

と。その北京の奴隷、測量梁も失策……ではなく政策は唐紅酒が就任してゐても同じことを命じられるまゝにしてゐたわけだが測量梁の絶望的な宿命としての民望の無さでマジに「年内はもつか?」が危ないほど。立法会選挙は北京=西環親北京の御用組織と建制派=御用政党総動員でどうにか泛民主派抑えるのでせうが。この建制派の組織票はとんでもないもので、nowテレビが報じてゐたさうだが前回の選挙で文盲の老婆に候補者の写真見せて「どの候補者に投票したの?」と尋ねると「これ、これ」と建制派の議員の顔写真を指さすが名前もロクに覚へてもゐないし、だういう政党でどんな政治的背景あるか、も全く知らず。たゞこの候補者の政党(民建聯か)に属すると福利や施米、行楽活動などかなり優遇ありの由。今日の文匯報は一面トップは一応、民建聯の選挙広告の形こそとつてゐるがモロに左派候補への支持急告はさすが党紙(嗤)。
▼新潟M記者がNHK原稿の気になる日本語として「~もので」「〜として」「おこなう」「など」を挙げてゐる。「断言を避けたり、引用元をあいまいにしたり、言動をおおげさにしたりする、好ましくない表現」と、確かにNHKはびっくりするほど多用してゐるが云はれるまでアタシは気づかなかつた。その慣れが恐ろしい。例へば「このデモは原発再起動に反対するとして市民などが政府に再稼動再検討をするようおこなうもので……」はNHK的にはすごく自然な表現(笑)。