富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

満月見事に盂蘭盆会

fookpaktsuen2012-08-31

農暦七月十五日。早晩にFCCのバーにて独飲。週刊読書人The Economistに目を通し岩波の『世界』九月号少し読む。トロントM夫妻とZ嬢で楼上のダインで晩餐。十五夜の月愛でる。帰りがけにZ嬢がHMWが移転したあと行つた?と連れて行つてくれたが場所こそ中環の中心の娯楽行だが3、4階で広さが売りのHMWにしてはだいぶ狭くなりクラシックは以前は隔絶した場所で荘厳な雰囲気ですらあつたがフロアの隅で棚一つ半ほど。ふと生誕150周年のドビッシーのCDを探したらショパンドヴォルザークに挟まれて何と1枚のみ。品数少ないならベートーベンもショパンも売れ筋並べるべきところ何だかあまり知らないラインナップでZ嬢が「もう売れ残りだけ置いてゐるやうな気がする」と。確かに。今晩はブラッディメアリー二杯、ドライシェリー一杯、白ワイン(チリのBushman's GullyのSemillon Chard. 2011をアタシが飲んだのは半瓶分くらゐ)で食後にデザートかはりに三鞭酒一杯……でさすがに心地よく帰りのバスで熟睡。
▼民自野合での消費税。週刊読書人(八月卅一日号)で指摘されていること(写真)は「当たり前」のことなのに、それすら気づかずに私たちがゐるのだから、だうにかしてる。 それにしても週刊読書人なんだから縦書きで、しかも内橋克人先生のコメントで「3党1体化」なんて算用数字は止めてくれないかしら。
▼『世界』では巻頭の『世界の潮』のトップで畏友倉田徹先生(金澤大)の「返還十五年の香港、民主化要求の高揚」拝読。ノンポリ都市香港がだうして政治的になつてきたのか、を2003年のSARSで中国による香港経済救済・融合策は大陸妊婦の来港による出産難、粉ミルク不足、インフレや不動産高騰といつた社会問題化し香港市民がこの中国化のなかで反発するように政治的色彩が強まり……とまとめられてゐる。このところの香港は愛国教育への反発が盛ん。新学期前に十代の学生がハンストの由。
▼来週月曜に六元が八元に値上げになる信報。香港大学の人類学者、王向華教授のインタビュー「快感蒼井空」読む(こちら)。王さんが20数年前にオックスフォード大学の博士課程に在籍されてゐたころ香港ヤオハンのフィールドワーク中で中文大学に寄宿されてゐたがアタシはよく王さんに「学者はヤオハンだとか秋田のナマハゲだとか楢山節考の姥捨だとか、さういふ何か珍しい例を取り上げ、それは学問の自由だが、あたかもそれで「日本は……である」としていゝのかしら?」などと戯れ言をば吐いてゐたが今はAV事情から日本と海外でのAV文化を観察の由。

日本不少公廁都是男女共用,男性在尿兜前如廁,女性則走進廁格照用如儀,這在香港根本沒有可能發生。

と書かれてゐるが昔の長屋ならともかく男女共用の公衆便所で男性が小用たしてゐても女性が平気で便所に入る、なんて、そんな開放性って日本で今でもあるのかしら?……アタシは少なくてもそんな開放的な便所事情を今の日本で見たことがない。