富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

広州に遊ぶ

fookpaktsuen2012-08-09

農暦六月廿二日。酷暑。摂氏36度の由。ホテルのプールで泳ごうかと思つたが泳帽着用とのことで26元もするといふので断念。部屋でテレビをつけると中央電視台は総合(Ch-1)から4チャンネルくらゐが奥運、ऑलिंपिक、オリムピック、올림픽、المپیک……と五輪中継再放送ばかり。中国勝利ばかり流す、中国贔屓といふのは客観的に見てゐてウソで、中国が出てをらぬ試合もきちんと中継してゐるのは日本よりフェアかも。部屋で呆了半天「外は暑いだらうな」と思ふうちに昼で退房。ホテルの向かひにあつたどーでもいゝ蒙古系の快餐店で昼餉。路線バスで数km離れた石龍站。13時半すぎの和解ならぬ和諧號で三十分ほどで広州(東站)。少し仕事があり書き物、充電もしたく亦た星巴かな、と思つたが三時間以上星巴に粘るのもなんだし他に往きたい所もなく站周辺の星巴なんてかなり混んでゐるだらうし星巴など探すのも面倒でステーションホテルに時鐘房(ご休憩か)あるのみつけ下榻。それなりに小きれいな部屋でネットも使へ4時間で128元也(写真)。都会の小築に潜むといふのも休閑としては快適。網野先生の語る河原や遊里ぢゃないが無縁かしら、ある種。週刊読書人「夏の分古本特集」読んでゐたら岩波書店の売れ行き好調の10点でプルーストはまだわかるがボルヘス、ミル、カー、モームなんて今でも誰か読んでゐるのね、と感心。嗚呼、夏の図書館。昔は冷房なんて無かつたのに涼しかつた記憶なのは何故かしら。知らぬまゝ午睡で用心にと17:15に仕掛けてゐたアラームで起きる。慌てゝ退房、地下鉄で林和西站。祥龍花園ビルにある六緑といふ日本料理屋。広州O君、深圳H君と暑気払ひと称して飲む。ほとんど、といふかこのためだけに広州に来たやうなもの(実質的にさう)。地元系の立派な日本料理屋。21:32に広州東站発の香港行き直通の最終にアタシが乗るので時間限定で20:40までの飲み会。中国金融の興味深い話聞く。まぁいろ/\な業界で数年で公金のちょっとした流用で私的に財を築く人たちがゐて(だから豪邸があれだけあるのね)、個人でも銀行の預金金利がコネで数%などオマケがつく。公金流用、銀行関連法でも完ぺきに犯罪だが確かに考へ様によつては、それで誰も損してゐない。確かに特定の役得で不公平だが、そのちょっとした機転で全国では月に何億元だか何十億元だかが金融のマジックで生まれ、それが受益者から市場に出回るとしたら銀行に塩漬けになるより、まさに経済効果ありかも。H君に内蒙古土産の牛乳酒いたゞく。最終の香港行き直行列車は一車両に数名の乗客でがら/\。一時間前の列車がKMTなので当然のやうにそちらが人気で旧態依然とした客車特急など避けられるし、この列車も明日の朝イチ香港始発のための回送のやうなもの。たゞアタシはディーゼル機関車に牽かれる客車の閑かさと揺れ心地の柔らかさが好き。香港に戻り半夜三更前に帰宅……といふのはウソで実はまだ列車が香港に入つたところ。
▼中国移動の携帯に香港で中国移動の顧客データ流出被害で一斉メール届く。ほんと「不法分子」とかつて言葉が中共はお好き。確かに不法なのだが「不法分子」はレッテル張り。