富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2012-07-27

農暦六月九日。午後少し日差しが明るくなり漸く雨が上がるかしら、と思つたら雨雲停滞。未だ摂氏25度前後。八月も間違いなく多忙確定する案件浮上で憂鬱……MacOS X Mountain Lionをば入れてセメテもの憂さ晴らし。
▼北京の豪雨水害で反体制の姿勢貫く「南都周末」誌 が北京当局が発表の死者(当初の37名)のうち25名につき死亡の状況など、まさに走つて遺族に取材する「悼念你的名字你的故事」といふ記事を当局が検閲で紙面改訂。ドイチェヴェレ放送局の中国語(ネット版)の記事“你的名字你的故事”遭“和谐”(こちら)が興味深い。ドイチェヴェレなんて小学生のときにBCLで短波放送聞いてゐたの以来。
▼中国といへば香港での「国民教育」科の推進が愛党愛国の思想「洗脳」教育だとして反発と疑問の声多し。確かにこの無理矢理な愛国思想は偏狭で無意味だが、かといつて洗脳されるか、といふと中国でもう半世紀以上そんな愛党愛国教育推進されたが中共の実際の支持度や親近感、信頼など「経済成長などいゝところもあるが」で誰もそんな洗脳されるほど一党独裁で愛党が徹底されてゐるわけでもない。むしろ一党独裁の中にゐるから疑惑の念が生じるわけで、香港が怖いのはその一党独裁国家のなかで徒花的に「枠外」であるから普段からむしろ日本にゐてチェチェ思想賛美するするやうに「染まり易い」の加茂。で今週末七月廿九日(日)にこの愛国洗脳教育反対のデモ集会あり。
東京新聞購読始めて論壇時評の書き手が佐藤卓己氏なのは知つて驚いた。これは収穫。七月廿四日の紙面では「原発をめぐるグレーゾーン」と題し、放射能汚染には安全と危険の明確な境界線がなく「そのため日本全体が白か黒かでは片づかないグレーゾーンに染められてしまった」状況のなかで、原発容認か反対かが「善か悪かのマニ教的思考を否定する」渋谷陽一氏の雑誌『SIGHT』取り上げてゐるのが興味深い。今中哲二(放射能汚染を調査する京大助教)のインタビュー「『住める住めないは自分で決めるしかない』という事実に、我々はどう向き合えばよいのか」はぜひ読みたい。「除染に何千億という金を使うんだったら、どこか移る先を探したほうが、生産的なような気が僕はするね」(今中)。アタシの友人でも311のあとメルトダウン警戒して家族をパリまで避難させやうとしたり逗子から伊勢、東京から博多、常滑からバリ島に移住してしまつたような人もゐる。それが奇妙に映るのが社会の土着性なのだらう。